報道発表
日・モザンビーク外相会談及びワーキング・ディナー
令和5年11月27日
11月27日、午後7時から、上川陽子外務大臣は、外務省賓客として訪日中のヴェロニカ・ナタニエル・マカモ・デリョーヴォ・モザンビーク共和国外務協力大臣(H.E. Ms. Verónica Nataniel MACAMO Dlhovo, Minister for Foreign Affairs and Cooperation of the Republic of Mozambique)との間で、日・モザンビーク外相会談(約40分間)及びワーキング・ディナー(約75分間)を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭
- 上川大臣から、マカモ大臣の訪日を歓迎した上で、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進にあたり重要なパートナーであり、本年共に国連安保理非常任理事国を務めるモザンビークとは、二国間協力の進展に加え、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて連携を深めたい旨述べました。
- これに対し、マカモ大臣から、日本側の招待で訪問できたことに謝意を示しつつ、今次訪日を通じ、経済的なパートナーシップをはじめとして、良好な二国間関係を更に強化したい旨述べました。
- 二国間関係
- 上川大臣から、先月完工式を実施したナカラ港は、地域の連結性を高めるという点でFOIPのビジョンを具体化するものである旨述べるとともに、本年5月のアフリカ貿易・投資促進官民合同ミッションの派遣等、日本企業のモザンビークに対する関心は高まっている旨述べました。これに対し、マカモ大臣から、日本の支援に謝意が示されるとともに、地域全体の経済発展のためにも、引き続きの人材育成と日本の更なる投資に期待する等述べました。両大臣は、若者の育成が国の未来を作る上で重要である点で一致しました。
- 上川大臣から、テロの影響により中断されている北部地域カーボデルガード州における液化天然ガス開発事業の重要性に言及した上で、同地域の治安改善・維持に向けたモザンビークの一層の取組を要請しました。また、両大臣は、新たな開発協力大綱で打ち出したオファー型協力も活用し、カーボデルガード州の安定化及び北部地域全体の成長につながる多角的な開発を共に進めていくことの重要性を確認し、実現に向けて調整していくことで一致しました。
- マカモ大臣から、モザンビークの大阪万博への参加表明があり、上川大臣からモザンビークの参加を歓迎する旨述べました。また、両大臣は、TICADプロセスを通じた協力を含めて、引き続き、様々な分野で両国の協力を深めていくことを確認しました。
- 国際場裡での協力
- 両大臣は、イスラエル・パレスチナ情勢について議論し、上川大臣から、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放、一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法に従って行動すべきこと、事態の早期沈静化を求めることが極めて重要である旨述べました。
- 両大臣は、ロシアによるウクライナ侵略への対応、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢といった地域・国際情勢、透明で公正な開発金融の重要性、「核兵器のない世界」に向けた取組、気候変動等についても議論し、両国が緊密に協力していくことで一致しました。また、上川大臣から、ALPS処理水の海洋放出について、モザンビークの理解と協力を得たい旨述べました。
- 両大臣は、安保理非常任理事国として緊密に連携していくこと、安保理改革を含む国連の機能強化や国際社会で「女性・平和・安全保障(WPS)」を共に推進していくことを確認しつつ、共に女性外務大臣として様々な課題の解決に向け、緊密に協力していくことで一致しました。
なお、ワーキング・ディナーでは、モザンビーク北部カーボデルガード州産のうるち米を使った清酒「サケヤスケ」(モザンビーク出身で織田信長に仕えたとされる「弥助」が名前の由来)が提供されました。