報道発表
第7回アジア太平洋人口会議における上川外務大臣ビデオ・メッセージ
令和5年11月15日
11月15日、上川陽子外務大臣は、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)及び国連人口基金(UNFPA)が共催する第7回アジア太平洋人口会議に、概要以下のビデオ・メッセージを送る形で参加しました。
- 昨年11月、世界人口が80億人に達し、人口問題は、人間、社会、経済の発展のあらゆる側面に影響を与え、社会の在り方に直結します。人口問題はSDGsの全ての目標と関連し、SDGsの達成には、人口問題に関する観点を取り入れることが不可欠と考えます。
- 日本は、急激に少子高齢化が進行しているアジア太平洋地域の中で、健康寿命の更なる延伸、妊娠・出産、子育て支援等に取り組むなどの取り組みを進めてきました。しかし気候変動、感染症、自然災害、紛争により、とりわけ、難民をはじめとする脆弱な立場に置かれた人々は、水、衛生、食料、電力等、ライフラインへのアクセスに大きな困難を抱え、結果、人口動態にも影響を与えています。ESCAPが、移民の人口動態を含め、こうした大きな観点から議論を深め、本会議をはじめ更に対話やキャパシティー・ビルディングなどの取り組みを強化していくことを支持します。
- このような状況に対応するためには、様々な政策を貫く基本的な視座が必要です。それこそが「人間の安全保障」であり、脆弱な人々も安全・安心に住める世界、「人間の尊厳」が守られる世界を実現することが重要です。また、この「人間の安全保障」を実現するために、最も基礎的な条件となるのがユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成です。日本は長年、このUHCの主流化を主導してきました。
- 「人間の安全保障」そしてUHCの推進を通じ、日本はますます多様化する人口にかかる議論と国際協力に貢献していきます。
(参考2)国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)
1947年、国連経済社会理事会の5つの地域委員会の一つとして国連アジア極東経済委員会(ECAFE)が設立(1974年、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)に改称)。現在62か国・地域が加盟。日本は、1954年に加盟。アジア太平洋地域の経済、社会開発のための協力機関であり、域内外の経済関係の強化が目的であり、近年は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の課題解決に向けた地域経済・技術協力を主導。
(参考3)国連人口基金(UNFPA)
1967 年に国連事務総長下の信託基金として発足した後、1969 年に「国連人口活動基金:UNFPA(United Nations Fund for Population Activities)」と改称。その後 1972 年に国連下部組織となった後、1988 年に現在の呼称となった。世界の人口問題を解決するために、人口動態に基づき、人権およびジェンダー平等を推進しながら、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を保障し、リプロダクティブ・ヘルス関連のサービス・情報に全ての人がアクセスできること、妊産婦死亡の削減などを目指している。
(参考4)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
すべての人が、効果的で良質な保健医療サービスを、負担可能な費用で受けられること。