報道発表
上川外務大臣とフロイド包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会暫定技術事務局長との電話会談
令和5年10月27日
10月27日、18時40分から約15分間、上川陽子外務大臣は、ロバート・フロイド包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会暫定技術事務局長(Dr. Robert Floyd, Executive Secretary of the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization (CTBTO))と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、上川大臣から、ロシアによるCTBTの批准撤回に向けた動きは、国際社会がCTBTの発効促進・普遍化に向けて長年積み重ねてきた努力に逆行するものである旨述べ、我が国として深刻な懸念を表明し、多国間や二国間の枠組みで働きかけを実施したことについて紹介するとともに、フロイド事務局長が、ロシアの批准撤回の動きに対して、一早く懸念を表明し、事態の打開に努めてきたことを高く評価する旨述べました。
- また、上川大臣から、ロシアがCTBTの規定する核実験禁止の規範性を引き続き尊重しつつ、国際的な監視体制の維持・強化や核軍縮・不拡散体制に対するコミットを示し続けるよう求めていく旨述べるとともに、CTBTO準備委員会暫定技術事務局と緊密に連携していきたい旨述べました。
- これに対し、フロイド事務局長から、今般のロシアによるCTBTからの批准撤回を巡る動きは非常に残念であり、深く遺憾である旨述べつつ、日本の対応への高い評価が示されました。両者は、CTBTの発効促進・普遍化に向け、日本政府とCTBTO準備委員会暫定技術事務局が今後も一層緊密に協力していくことで一致しました。
(参考1)包括的核実験禁止条約(CTBT)概要
宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる場所における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止。国際監視制度、協議及び説明、現地査察、信頼醸成措置からなる検証制度を設けることとなっている。条約発効には、日本を含む発効要件国44か国全ての批准が必要(うち、米国、中国、イスラエル、イラン、エジプトの5か国が署名済み・未批准。北朝鮮、インド、パキスタンが未署名・未批准。)。日本は1997年に批准。
(参考2)CTBTO準備委員会
CTBTO準備委員会は、CTBT発効前から同条約に規定された検証制度を整備するため、国際監視制度(IMS)施設の建設、国際データセンター(IDC)設置、現地査察(OSI)実施の準備等の活動を担う。