報道発表
第16回日米科学技術協力合同実務級委員会
合同プレスリリース(仮訳)
令和3年6月17日
6月17日、第16回日米科学技術協力合同実務級委員会がオンライン形式で開催され、中根猛外務省科学技術協力担当大使及びジョナサン・マルゴリス米国国務省次官補代理(海洋・環境・科学担当)が共同議長を務めました。
- 本合同実務級委員会には、日米両国の幅広い政府関係機関の代表が参加し、科学技術政策、既存の協力、及び新たな協働分野に関し意見交換を行いました。また、参加者は、量子技術、人工知能(AI)、及び気候変動やクリーン技術といった分野において世界に誇る両国の科学コミュニティ間での更なる協力強化を模索しました。
- 参加者は、4月に両国首脳により立ち上げられた日米コア(CoRe)パートナーシップも踏まえ、幅広い事項や政策イニシアチブについて議論しました。日米両国はこれまでイノベーションにおける世界的なリーダーであり、競争力と強靱性のためのこの新しいパートナーシップは、科学的・技術的進展に焦点を当てながら、そのような伝統を継承するものです。
- 日米両国の共同議長による開会挨拶に続き、日本側は、第6期科学技術・イノベーション基本計画及び科学技術イノベーション政策の概要を含む、科学技術関連分野における最新動向を紹介しました。
- 米国側は、バイデン・ハリス政権の、科学技術における多様性及び包摂性の向上、科学技術の機会及び知識へのより包摂的で衡平なアクセス、気候変動への対処、並びに第三国での科学技術事業や課題における協働などに関する政策イニシアチブを強調しました。また、パンデミックへの備え、並びに政府及びその他の主体がいかなる将来の感染症の流行にもどのようにすれば迅速に対応できるかについても焦点を置きました。
- その上で、合同実務級委員会は、保健及び生物医学研究、新型コロナウイルス感染症流行からの回復力、研究人材育成、研究インテグリティ、研究者及び学生の交流と関連情報交換、並びに日本のムーンショット型研究開発制度について有意義な意見交換を行いました。
- 会合では、特に量子技術、AI、並びに気候変動及び関連技術(クリーン技術)に関する議論も深掘りしました。参加者は、既存の協力及び科学技術をより良く活用するためにいかに当該協力を深め得るかを強調しました。AIは、政策的観点と研究者の連携を強調する形で、詳細に議論されました。量子技術の高度化における協力の価値が認識されました。クリーン技術における最新動向と取組に関して重要な議論が行われました。これらには、脱炭素化、持続可能で気候に優しい農業、及び数値シミュレーション、生命工学などの分野におけるイニシアチブも含まれます。大学や研究関係者間の連携を向上させる方途も検討されました。友好的かつ包摂的な研究協力環境の確保も議論されました。
- 合同実務級委員会において、文部科学省と米国エネルギー省の間で、量子情報科学に関する事業取決めが署名されました。当該取決めは、量子通信、コンピューティング、エミュレーション、デバイス、センサー、ファウンドリー、及び材料の研究開発を促進します。同文書では、日米間の技術的な情報の交換、並びに科学者、エンジニア、及び学生の交流を含む、多数の活動が想定されています。
- 合同実務級委員会は、科学技術協力に関する緊密なパートナーシップと協調を継続する両国のコミットメントを再確認し、日米合同高級委員会での議論に期待しました。
(参考)米国との科学技術合同委員会
- (1)1988年6月、G7サミットの際、竹下総理とレーガン大統領が日米科学技術研究開発協力協定に署名(これまで累次にわたる延長及び改正を経ている。)。同協定は、両国間の科学技術協力関係全般の政策枠組みを設定したものであり、第5条で、政府間の討議の枠組みとして高級(閣僚級)と実務級の合同委員会を設置することを規定。
- (2)今次実務級会合は、日米科学技術研究開発協力協定に基づく実務級合同委員会としては16回目となり、バイデン政権との間では初の合同委員会となる。なお、最近の高級(閣僚級)及び実務級それぞれの合同委員会の開催実績は以下のとおり。
2019年5月に第14回合同閣僚級委員会をワシントンDCで実施。
2016年7月に第15回合同実務級委員会をワシントンDCで実施。