報道発表

英国との日・英租税条約上の新たな事業利得条項の適用に関する書簡の交換

平成27年7月23日

1 7月22日(現地時間同日),イギリスのロンドンにおいて,「所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書」(平成26年12月12日発効)によって改正された「所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約」(平成18年10月12日発効)の第7条の適用に関する外交上の公文の交換が,日本国政府と英国政府との間で行われました。

2 改正された条約第7条は,外国法人・非居住者の支店等(恒久的施設)に帰属する事業利得に対する課税について,本支店間の内部取引を認識し,独立企業原則を適用して恒久的施設に帰属する利得を計算することを規定しています。

3 今般の外交上の公文の交換により,改正された条約第7条の規定は,次の利得に対して適用されることになります。

(1)我が国については,

平成28年4月1日以後に開始する各課税年度の利得

(2)英国については,

(ア)所得税及び譲渡収益税に関しては,平成28年4月6日以後に開始する各賦課年度の利得

(イ)法人税に関しては,平成28年4月1日以後に開始する各会計年度の利得

  • 所得及び譲渡収益に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の条約に関する交換公文和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く

(参考)

1 租税条約においては,企業等の事業活動による利得(事業利得)について,

(1)進出先の国は,相手国企業に対して,支店・工場等の恒久的施設がなければ課税することができないこととするとともに,

(2)その課税対象を,恒久的施設に帰属する利得のみに制限。

2 この恒久的施設に帰属すべき利得の算定方法をより明確化する観点から,2010年にOECDモデル租税条約が改訂されたことを受けて,改正された条約第7条には,上記2のように事業利得に関する新たな規定が導入された。同規定により,企業の国際的な事業活動に係る国際的な二重課税や二重非課税のリスクの軽減が期待される。


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