報道発表

EU外務理事会への茂木外務大臣の出席(オンライン形式)

令和3年1月25日
EU外務理事会への茂木外務大臣の出席(オンライン形式)
EU外務理事会への茂木外務大臣の出席(茂木大臣発言)
EU外務理事会への茂木外務大臣の出席(全体写真)

1月25日、午後6時30分から約90分間、茂木敏充外務大臣は、EU外務理事会にオンライン形式で出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1.  冒頭、ジョセップ・ボレル・フォンテジェス欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長(H.E. Mr. Josep Borrell Fontelles, High Representative of the European Union for Foreign Affairs and Security Policy, Vice-President of the European Commission)からの歓迎の挨拶に続き、茂木外務大臣から、概要以下のとおり発言しました。
    (1)日本は、国際社会の基本原則の普及と定着、連結性などを通じた経済的繁栄、海洋安全保障を含む平和と安定への取組を3本柱として「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を推進してきました。FOIPは包摂的な概念であり、同様の価値観やビジョンを有する全ての国々との協力に開かれています。
    (2)世界のパワーバランスが大きく変化し、より複雑で不確実な世界になっている中で、インド太平洋においては、東シナ海や南シナ海で見られるような安全保障に対する挑戦、民主主義や人権といった基本原則への挑戦、インフラ開発等に伴う対外債務問題による途上国の自立性低下の傾向といった様々な挑戦が存在しています。(この文脈で、茂木外務大臣から、北朝鮮による日本人拉致問題は重大な人権侵害であり、早期解決に向けた支持を働きかけた。)
    (3)欧州でインド太平洋に対する関心が高まり、仏に続き、独蘭がインド太平洋のガイドラインを公表していること、EUがインド太平洋に関する議論を開始したことを歓迎します。また、我々の直面する挑戦への対応に米国の関与は不可欠で、同志国との連携強化が重要です。日本は、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を支持しており、日ASEAN首脳会談ではAOIPとFOIPが本質的な原則を共有していることを確認しました。
    (4)FOIPの実現に向け、民主主義、人権、法の支配といった国際社会の基本原則の普及・定着、多角的貿易体制の維持・強化や国際的なルール作り、地域の連結性の強化、海洋安全保障分野等において、日EUで協力を進めていきます。
  2.  以上を受け、多くのEU加盟国外相から、インド太平洋におけるルールに基づく国際秩序の重要性について理解や支持が表明されました。北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けた支持も表明されました。
  3.  その後、茂木大臣とEU外務理事会メンバーとの間で、地域情勢について意見交換を行いました。さらに、日本及びEUは、連結性、海洋安全保障、環境・気候変動、デジタル等の分野において協力を更に進めていくこと及び米国を始めとする同志国と協力して国際社会においてリーダーシップを発揮していくことの重要性で一致しました。

[参考]EU外務理事会
EU及びEU加盟国外相が定期的に集まり、様々な外交課題について意見交換を行う場。日本の外務大臣が参加するのは今回が初めて。


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