9月上旬から中旬にかけて、御法川信英外務大臣政務官を団長とするアフリカ貿易・投資促進合同ミッションが東部アフリカ地域を訪問したところ、その成果と概要は以下のとおり。
本ミッションの派遣は、5月のTICAD IVの開会式において、福田総理(当時)より表明されたものであり、アフリカの経済成長を加速化するために貿易・投資を促進するというTICAD IVで打ち出された支援策をフォローアップする最初の大型イベントとなる。東部ミッションは、南部ミッション(8月30日~9月9日)に続く二番目の派遣団となった。
(参考) 9月13日~25日には三番目の派遣団が中・西部アフリカを訪問。
1. 期間 平成20年9月9日(火曜日)~9月19日(金曜日)
2. 訪問国 ケニア、ウガンダ、エチオピア、タンザニア(訪問国順)
3. 参加メンバー(計60名)
4. 成果
5. 各国における活動概要
(1)政府要人との会談等
オディンガ首相他10閣僚とのラウンドテーブル(当方より、「ビジネス環境タスクフォース」の立ち上げを提案し、投資庁長官より同意を得た。)、ウェタングラ外務大臣、ムルンギ・エネルギー大臣、オブレ道路大臣代行兼公共事業大臣、ミチュキ環境・天然資源大臣兼財務大臣代行(無償資金協力(貧困農民支援7億円)署名式)、ルト農業大臣
(参考1) ビジネス環境タスクフォースとは、ケニアにおけるビジネス環境の改善を推進するため、ケニア政府と日本企業が協議を行う場。
(参考2) オディンガ首相他10閣僚とのラウンドテーブルには、1) ンギル水灌漑大臣、2) クティ畜産開発大臣、3) ニャガ協同組合開発大臣、4) オトゥオマ水産資源開発大臣、5) モハメッド北部ケニア大臣、6) キロンゾ・ナイロビ首都圏開発大臣、7) モハメッド北部ケニア半乾燥地帯大臣、8) オパラニャ計画・国家開発「ビジョン2030大臣」、9) ケニヤッタ副首相兼貿易大臣、10)コスゲイ産業化大臣が同席。また、ルト農業大臣との会談には、1) ~5) の5閣僚が同席。
(2)企業関係者等との意見交換
9月11日、JETRO主催でケニア民間企業との対話を実施。ケニア民間セクター(ケニア民間企業連合(KEPSA)、ケニア製造業協会(KAM)、ケニア商工会議所)から約50名が参加し、ケニア民間セクター代表によるプレゼンテーションの後、意見交換を実施。
(3)視察等
9月11日、佐藤芳由之氏が経営するケニア有数の食品加工会社(ケニアナッツ社)を視察。12日には、ケニアの主要輸出品の一つである切り花の農園(シアンローズ社)、輸出加工区(EPZ)でタイヤ製造や紅茶販売等幅広く事業を展開する現地企業(サミーアフリカ社)を視察。
9月11日、ナイロビ市内のキベラスラムにおける「学校給食事業」支援表明式、貧困農民支援署名式の2つのODA関連行事に参加。
さらに、北京オリンピックの男子マラソン金メダリストであるワンジル選手との交流機会もあり、同選手は自助努力の重要性、日・ケニア経済交流の活性化を日本語で訴えた。
(1)政府要人との会談等
ムセベニ大統領、ババ副大統領府国務大臣、キワヌカ投資担当国務大臣、ムウェジジェ総務担当大臣、キコジ投資庁長官、ムスンバ外務省地域担当国務大臣、アトゥボ土地大臣、カムントゥ産業担当国務大臣、オマチ財務担当国務大臣、バタリンガヤ・エネルギー省資源担当国務大臣、ウジャンガ・エネルギー省エネルギー担当国務大臣、エジュア公共事業省輸送担当国務大臣
(参考) 地方出張中のムセベニ大統領と本ミッションとの会談を実現するため、ウガンダ政府は、大統領専用ヘリを用意し、ミッションの移動を支援。
(2)企業関係者等との意見交換
9月13日、ウガンダ投資庁主催で日・ウガンダ貿易投資セミナーを開催。ウガンダ側より、投資促進に関する基調講演、同国の投資環境に関するプレゼンテーションを行った後、日本側の関心に沿って農業、製造業、エネルギー・インフラ、鉱物資源の4つの分科会に分かれ、双方は活発な意見交換を実施。また、投資庁のアレンジにより個別の商談会も実施。
(3)視察
9月13日、柏田雄一氏が40年に亘り経営する有機綿シャツ製造工場(フェニックス社)及び、日本から原材料を輸入し建設用鉄鋼資材の製造に成功している現地企業(ルーフィングス社)を視察。14日には、現在建設中であるウガンダ初の大型工業団地を視察。
(1)政府要人との会談等
ギルマ大統領、タケダ外務担当国務大臣、スフィアン財務経済開発大臣、メコネン同国務大臣、タデッセ貿易産業国務大臣、アベラ農業・農村開発国務大臣
(2)企業関係者等との意見交換
9月14日、世界銀行エチオピア事務所長よりインフレ及び外貨不足問題に係るプレゼンテーションが行われた。
9月15日、エチオピア商工会議所及びアディスアベバ商工会議所の共催により、エチオピア経済人との会合を開催し、双方は自由な意見交換を実施。
(3)視察
9月15日、成長著しい切り花栽培(バラの温室栽培)、米国の一次産品市場と連動したアディスアベバ一次産品市場を視察。
また我が国ODAにより建設された北西幹線道路を視察。
(1)政府要人との会談等
シェイン副大統領、ムクロ財務経済大臣、チャミ産業貿易マーケティング副大臣、マリマ・エネルギー鉱物副大臣
(2)企業関係者等との意見交換
9月17日、タンザニア投資センター主催による投資環境及び機会に係る説明会・意見交換会を開催。世銀による民間セクター促進プロジェクトの概要説明の後、エネルギー・鉱物、製造業(農産物加工等)、インフラ(建設、観光)の3つの分科会に分かれ、双方は活発な意見交換を実施。引き続き、両国企業による個別の意見交換も行われた。
(3)視察
9月16日、我が国の無償資金協力で建設中のキルワ道路拡幅計画の現場を視察。17日には、日本企業も出資しているタンザニア・タバコ製造販売会社及び経済特区を視察。