報道発表

人間の安全保障基金「モルドバ共和国における人身取引及び家庭内暴力の被害者の保護及び能力強化」への支援について

平成20年9月22日
  1. 我が国政府及び国連は、9月22日(月曜日)、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国際移住機関(IOM)が欧州安全保障・協力機構(OSCE)と共同でモルドバ共和国において実施する「モルドバにおける人身取引及び家庭内暴力の被害者の保護及び能力強化」に対し、人間の安全保障基金を通じ、345万1,763.70ドル(約3億9千万円)の支援を行うことを決定した。
  2. モルドバ国民は貧困の蔓延、高い失業率、国内の経済格差及び不十分な公共サービスなどの困難の中にあり、男女の平等を含む人権の尊重と法の支配の確立は取り組むべき喫緊の課題となっている。このような社会の不安定要素は脆弱な立場にある女性や子どもに影響を及ぼし、家庭内暴力や人身取引というかたちで著しく人権が侵害されている。本事業は暴力と人身取引の被害者への保護と支援、またコミュニティや人々が人身取引及び家庭内暴力などの人間の安全保障の問題に取り組むための能力強化を図るものである。主な活動は以下のとおり。
  3. (1)移送先からの帰還支援基金の設立、シェルターでの質の高いサービスの提供、社会への統合、支援金や職業訓練などを通じた人身取引被害者への保護・支援活動を実施する。

    (2)シェルターでの質の高いサービス提供、家庭内暴力被害者の自助グループ支援、家族への教育・カウンセリング等の実施を通じた家庭内暴力被害者を保護・支援する。

    (3)人身取引や家庭内暴力の被害者への統合的な支援を行うために、政府機関や専門家グループの能力を強化する。

    (4)コミュニティ会合の開催と30のコミュニティ行動計画の立案の支援などの地域社会主導の開発プロセスを通じて、人身取引や家庭内暴力といった人間の安全保障の分野における諸問題へのコミュニティ及び個人の対処能力の強化を図る。

  1. 本プロジェクトの実施により、モルドバにおける女性や子どもに対する暴力が抑制され、人々の生活の質の向上が期待される。

(参考) 人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約372億円(約3億3,042万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の180件以上のプロジェクトを支援してきている。

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