(参考)
イラク南部湿原は中東において最大の生態系を有する重要な自然環境として知られていたが、1970年代以降旧イラク政権により多大な被害を受け、今日では全湿原の約9割が消失してしまっている。このため、イラク南部の湿原回復を主目的としてUNEP(国連環境計画:下記2.参照)国際環境技術センター(下記3.参照)が実施している事業で、日本政府が2004年-2007年にかけて計1.290万ドルを拠出しており、イタリア政府も、2006年に約87万ドルを拠出した。本件事業により、イラク南部湿原における湿地管理促進、イラク人に対する技術研修及び飲料水の供給等が実施された(2008年中に終了予定)。
国連において唯一包括的に地球環境問題を扱う機関。国連諸機関の環境関連活動の総合的調整・管理、国連内外の環境問題への取組に対する支援を通じ、環境分野における国際協力を推進している。
UNEP/IETCはUNEPの下部機関で、1992年に大阪府及び滋賀県に設置。
大阪では、大都市の環境管理に関する、また、滋賀では淡水湖沼集水域の総合的環境管理に関する途上国への技術移転などを実施している。
1996年にアナン国連事務総長(当時)により国連改革の一貫として、斬新かつ効率的なプロジェクトに携わった国連職員を表彰するものとして設立された。本年は、UNEPイラク南部湿原管理事業の他、8件のプロジェクトが国連21賞を受賞した。