
人間の安全保障基金によるコンゴ民主共和国における「イツリ地方における統合されたコミュニティ強化と平和構築支援」への支援について
平成20年8月4日
- 我が国政府及び国連は、8月4日(月曜日)、国連開発計画(UNDP)、国連食糧農業機関(FAO)、国連児童基金(UNICEF)及び国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がコンゴ民主共和国において実施する「イツリ地方における統合されたコミュニティ強化と平和構築支援プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、516万2,305.62ドル(約5億8,334万円)の支援を行うことを決定した。
- イツリ地方では、内戦と政治的不安定の結果、大量の避難民が生まれ、社会インフラが破壊されたため、社会・経済条件が悪化し、現在、住民の80%が絶対的貧困に喘いでいる。本プロジェクトは、紛争の沈静化、難民、国内避難民の帰還が進んでいることを踏まえ、生計と生産資産の回復、社会サービスへのアクセスの確保及びコミュニティの能力強化とコミュニティ間の平和的共存文化の醸成を図ることにより、上記の課題に取り組むものである。主な活動は以下のとおり。
(1)農業・漁業・畜産分野の協同組合に対する機材、種子、家畜等の供与、生産及び保存方法に関する技術指導、青年・失業者向けの職業訓練施設の建設
(2)地方行政施設、警察署及び基礎医療施設の補修
(3)医療関係者への訓練の実施、コミュニティの住民に対する保健・衛生に関する教育の実施
(4)市民社会に対する復興に向けた活動の計画、評価等に関する訓練の実施
(5)スポーツ、文化活動等を行う青年センターの設立と青年のリーダー間のネットワークの構築
(6)性差に基づく暴力防止のためのラジオ等によるキャンペーンの実施
- 本プロジェクトに併せ、我が国はコミュニティ開発支援無償としてUNICEF経由で「イツリ地方におけるコミュニティ参加を通じた子供のための環境整備計画」(供与額3億7,600万円)を実施している。両案件を組み合わせることにより、イツリ地方の社会・経済の再建を通じた平和構築の進展及びコミュニティレベルでの人間の安全保障の実現が効果的に達成されることが期待される。
(参考) 人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約372億円(約3億3,042万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の180件以上のプロジェクトを支援してきている。