報道発表

パキスタン・イスラム共和国に対する無償資金協力(ファイサラバード上水道整備計画)に関する書簡の交換について

平成20年7月23日
  1. 我が国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府に対し、「ファイサラバード上水道整備計画」 (The Project for Improvement of Water Supply System in Faisalabad)の実施に資することを目的として、総額44億4,200万円(3か年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:4億5,800万円、平成21年度:19億9,200万円、平成22年度:19億9,200万円)を限度額とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月23日(水曜日)(現地時間、同日)、同国の首都イスラマバード市において、我が方小島誠二駐パキスタン国大使と先方ジュネイド・イクバル・チョードリー経済省次官補(Junaid Iqubal Chaudhry, Acting Secretary to the Government of Pakistan, Ministry of Economic Affairs and Statistics)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

     パンジャブ州住宅・都市開発・公衆衛生省及びファイサラバード市上下水道公社が、取水井、導・送水管、配水場等の建設及び市内配水管の改修を行うために必要な資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

     カラチ、ラホールに次ぐパキスタン第3の都市であるファイサラバード市(人口260万人)では、アジア開発銀行(ADB)の支援の下1992年に完成した上水道設備により市内の上水道を供給しているが、予想を超える人口増加や取水量の減少により、逼迫する水需要に対応することができない状態にある。この結果、市内の給水は一日3回各1~2時間の時間給水に限定されているほか、市郊外の地区では市内送水管の設計上の問題や時間給水による急激な取水により水圧が不足しほとんど取水ができないなど、最低限必要な飲料水等の供給が困難な状態に陥っている。

     このような状況の下、パキスタン政府は、持続的開発が可能な水源の確保により水需要の逼迫を緊急に緩和するとともに、市内配水の不均衡の解消及び水道の安定供給を図るため「ファイサラバード上水道整備計画」を策定し、取水井、導・送水管、配水場等の建設及び市内配水管の改修に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請したものである。

    (3)本計画の効果

     本計画の実施により、ファイサラバード市民に対し、給水人口が約140万人から約168万人に増加するとともに、給水時間が最大6時間から24時間に増加するなど、給水サービスが向上することが見込まれる。また、安全な飲料水の供給により、肝炎、下痢、チフス等の水因性疾患が減少し、ファイサラバード市民の保健・衛生環境の改善に貢献することが期待される。

(参考) パキスタン・イスラム共和国は、中東とアジアの接点に位置し、面積は約79.6万平方キロメートル、人口は約1億5,680万人(平成18年)、1人当たりのGNI(国民総所得)は約770米ドル(平成18年)である。

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