報道発表

ザンビア共和国に対する無償資金協力(「ルアプラ州地下水開発計画」及び「リビングストン市道路整備計画」)に関する書簡の交換について

平成20年7月4日
  1. 我が国政府は、ザンビア共和国政府に対し、以下の一般プロジェクト無償資金協力(供与限度額合計16億2,700万円)を行うこととし、このための書簡の交換が、7月4日(金曜日)(現地時間、同日)、同国の首都ルサカ市において、我が方三田村秀人駐ザンビア共和国大使と先方ンガンドゥ・マガンデ財務・国家計画大臣(The Honourable Ng'andu P. Magande, Minister of Finance and National Planning)との間で行われた。
  2. (1) 「ルアプラ州地下水開発計画」 (The Project for the Groundwater Development in Luapula Province):供与限度額6億4,100万円(3カ年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:1億5,700万円、平成21年度:4億500万円、平成22年度:7,900万円)

    (2) 「リビングストン市道路整備計画」(The Project for Improvement of Livingstone City Road) :供与限度額9億8,600万円

  1. 各計画の概要は次のとおりである。
  2. (1)「ルアプラ州地下水開発計画」

      (イ)本計画の内容

      • ザンビア地方自治・住宅省が、同国北部のルアプラ州において、ハンドポンプ付き深井戸の給水施設200箇所を建設、運営するとともに、維持管理指導を行う計画を実施するために必要な資金を供与する。
      • なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は、平成20年2月5日に行われている。

      (ロ)本計画の必要性

      • ザンビアでは、給水、衛生サービスの普及率が低く、ルアプラ州における安全な水へのアクセス率は17%以下と極端に低い。給水施設の不足する村落では、手堀りの浅井戸や数キロメートル離れた涸れ川のたまり水など、不衛生な水に生活用水を依存している。このため、水因性疾患の増加、婦女子の水汲み労働負担など、住民の経済活動、教育、健康等に深刻な影響を与えている。
      • このためザンビア国政府は、我が国が実施した開発調査「全国水資源開発計画」に基づく「全国給水政策」を策定した。同政策では、現在の全国平均給水率37%を75%に向上させることを目標としており、政府は本政策にのっとり、給水施設の整備を進めているが、ルアプラ州等緊急に整備する必要がある地域が多数存在し、同国の厳しい財政事情から全計画を自力で実施するのは困難な状況にある。このため、ザンビア国政府は、給水及び衛生状況が劣悪なルアプラ州の七郡を対象に、給水施設の建設等に必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請したものである。

      (ハ)本計画の効果

      • 200箇所のハンドポンプ付き深井戸給水施設の建設により、ルアプラ州7郡で安全な水にアクセス出来る人口が5万人増加し、衛生状況が改善され、水因性疾患の減少も期待される。
      • 給水施設の維持管理指導により、約80名の自治体井戸管理者が育成され、また住民組織の育成により施設の運営体制が構築される。

    (2)リビングストン市道路整備計画

      (イ)本計画の内容

      • ザンビア地方自治・住宅省が、同国南部のリビングストン市から、南部国境に至る幹線道路(モシ・オツンヤ道路)約13キロメートルの道路改修と、付属歩道及び街路灯の整備等を行う計画を実施するために必要な資金を供与する。

      (ロ)本計画の必要性

      • 内陸国であるザンビアでは、陸上輸送が国際物流を含む物資・旅客輸送の主要手段であり、経済発展の基盤となっている。ザンビア政府は、国の道路の総合整備計画を策定し、特に地域の経済開発、社会福祉を支える地方中核都市の主要道路の整備を重要課題としている。
      • リビングストン市はザンビア南部の中心都市であり、南西部アフリカ(ナミビア、ボツワナ)方面と首都ルサカを結ぶ貿易・交通の中継点であり、また近郊には世界遺産であるビクトリアの滝があり、同国の観光資源上も重要な位置にある。
      • しかし、同市から伸びる幹線道路であるモシ・オツンヤ道路も、長年の路面の悪化に加え、近年特に大型車両の交通による損傷が激しく、低速での走行を余儀なくされており、また配水施設や歩道、街灯の損傷も著しいため、市民生活や経済活動に支障を来している。ザンビア政府は自助努力で道路補修作業を行っているが、同国の厳しい財政状況から道路の修復、整備は困難な状況にあり、リビングストン市内、近郊道路の内、特に緊急性の高い本件モシ・オツンヤ道路の改修、整備について、我が国に対し無償資金協力が要請されたものである。

      (ハ)本計画の効果

      • 本計画の道路改修により、郊外での平均通常走行速度が現在の30キロメートル毎時から50キロメートル毎時程度に改善され、国際主要幹線道路としての機能が回復する。また路肩、歩道の整備と街灯の設置により、夜間を含む歩行者の安全が促進され、市民生活の安全性に寄与する。

(参考) ザンビアはアフリカ南央部に位置し、日本の約2倍の面積(約75万平方キロメートル)、人口は約1,190万人、一人当たりGNI(国民所得)は約630ドルである。

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