報道発表

高村外務大臣とバシール・ヨルダン外相との会談

平成20年7月2日

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 高村外務大臣は、7月2日(水曜日)14時50分から約40分間、大臣接見室において、「平和と繁栄の回廊」構想第3回4者協議閣僚級会合出席のため訪日しているサラーハッディーン・バシール・ヨルダン外相と会談を行ったところ、概要以下のとおり。

  1. 冒頭、高村大臣より、ヨルダン王室と我が国皇室との伝統的な友好関係を始め、二国間関係が極めて良好に推移しており喜ばしい、ヨルダンが中東地域の安定に向け貢献していることを評価しており、今後ともヨルダンと共に中東地域の安定と繁栄のため協力していきたいと述べた。これに対して、バシール外相より、自身2度目の訪日は大変光栄であるとして、日本との良好な関係を一層発展させていきたい、また、日本の長年に亘るヨルダンへの支援及び「回廊」構想をはじめとする中東和平への貢献に対し深謝すると述べた。
  2. 二国間関係について、高村大臣より、アブドッラー国王による国内改革推進を評価する、ヨルダンの安定は中東地域の安定にとって極めて重要であり、ヨルダンによる改革のための取り組みに協力していきたいと述べた。また、高村大臣より、2008年安保理非常任理事国選挙における我が国の立候補へのヨルダンの支持に対して謝意を表明した。これに対して、バシール外相より、ヨルダンの最近の経済概況と経済政策について説明しつつ、これまでの日本からの支援に謝意を表するとともに、更なる協力についての要請があった。
  3. 中東和平について、高村大臣より、イスラエル・パレスチナの和平交渉は困難な状況だが、双方の和平努力を最大限支援していきたい、本日の第3回となる4者協議閣僚級協議への出席に感謝するとともに、「回廊」構想の出来る限り早期の具体化に尽力していくので、ヨルダンの協力を得たいと述べた。これに対して、バシール外相より、日本は紛争解決の分野で経験があり、これまでの中東地域の安定と繁栄に向けた取り組みを高く評価するとしつつ、ヨルダンとしても「回廊」構想に積極的に貢献していきたい、また、中東の平和と安定における日本の役割は重要であり、より積極的な役割を望むともに、ヨルダンも協力していきたいと述べた。
  4. 高村大臣より、イラクの安定化には、国際社会、特に周辺国の協力が不可欠であり、大きな経済的負担等困難に直面しながらも、ヨルダンが難民受け入れに努力していることを評価する、また、ヨルダンが駐イラク大使の任命、大使館開設にコミットしたことを評価すると述べた。また、高村大臣より、7月2日及び3日、アンマンにおいて、日・イラク経済フォーラムを開催するなどイラクとの経済関係強化に向けた取り組みを行っている旨述べた。これに対し、バシール外相より、国内のイラク人難民は約60万人に達し、自国の経済状況を踏まえれば難民支援は容易ではないが、ヨルダン政府としては、医療や教育の分野をはじめヨルダン国民と同様の行政サービスを提供してきており、その総額は16億ドルに達するが、既にヨルダンの財政能力は限界にきており、国際社会の支援が必要であると述べた。

(参考) 「平和と繁栄の回廊」構想

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