(1)首都圏周辺地域給水計画(2/2期)(The Project for Water Supply Development around the Metropolitan Area)
供与限度額:8億8,700万円
(2)マサシ-マンガッカ間道路整備計画(2/3期)(the project for the Improvement of Masasi-Mangaka Road)
供与限度額:7億5,800万円
(1)「首都圏周辺地域給水計画(2/2期)」
(イ)計画の内容
タンザニア政府が、ダルエスサラーム都市圏周辺地域の給水環境の改善のため、コースト州及びダルエスサラーム州の20村落において、17か所の高架型の公共水栓式給水施設、14か所のハンドポンプ付き深井戸の建設する計画を行うための資金を供与する。本計画は2期に分けて行い、今回の第2期は10か所の公共水栓式給水施設の建設を行うものである。
(ロ)計画の必要性
タンザニア政府は、2025年までの長期開発戦略である「タンザニア開発ビジョン2025(Vision 2025)」を策定し、それに基づき貧困削減戦略である「成長と貧困削減のための国家戦略」の中で、2025年までに各住民が居住する家屋から400m以内に、安全で衛生的な水の供給を行う目標を掲げている。
しかし、2002年の統計調査によると、安全な水にアクセスできる人口は都市部では85%であるものの、村落部では42%と低い数値にとどまっている。特に、コースト州、ダルエスサラーム州に位置する本計画対象村落は、首都圏に位置し、今後も水需要の増加が見込まれるにもかかわらず、給水率は、23%と全国平均にも及ばない状況である。
このような状況の下、タンザニア政府は、本件対象地域における給水施設の建設に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(ハ)計画の効果
・対象村落における給水率が、2002年の約25%から、計画年次の2015年には約68%に向上する。
・建設する10か所の公共水栓式給水施設に、村落レベルの住民所有型給水組織が形成される。
(2)「マサシ-マンガッカ間道路整備計画(2/3期)」
(イ)計画の内容
タンザニア南部のマサシからマンガッカ間の55.1kmの道路整備を行う計画を実施するために必要な資金を供与する。本計画は3期に分けて行うこととしており、第2期はマサシ(始点)より15.0kmから、35.0km区間までの整備を行うものである。
(ロ)計画の必要性
タンザニア政府では、貧困削減戦略において、幹線道路・地方道路の改修及び維持管理に高い優先度を置いている。道路分野については、10か年(2001から2011)の道路セクター開発計画を策定しており、全国を9の道路回廊区に区分し、全ての州を幹線道路と州道路により連結する計画が示されている。これらの道路回廊の整備は、農産物の消費地への安定供給を確保し、農村地域の経済成長を促進する役割も期待されている。
タンザニア南部は、同国でも比較的開発の遅れている地域であるが、資源に恵まれており、経済開発の可能性が高い地域である。タンザニア南部を通る「ムトワラ開発回廊」は、アフリカの国際回廊計画のひとつとして、優先的に経済開発が進められる地域に指定されている。また、同地域の主要産物であるカシューナッツ等の農産物についても、市場へのアクセス道路網の不備により、収穫物の半数が出荷できない状態にあり、早急な道路整備が必要とされている。
(3)計画の効果
・通行車両の移動時間が短縮される(マサシからマンガッカ間の通過時間が、現状の83分から42分に短縮)。
・道路整備により、当該道路の安全性が向上する。
・道路状況の改善により、地域間物流の輸送量の増大に寄与する。
・通過時間の短縮により、農産物の輸送コストが低減される。
(参考)タンザニア連合共和国はアフリカ東岸に位置し、面積が日本の約2.5倍(94.5万平方キロメートル)、総人口は3,830万人であり、1人あたりGNI(国民総所得)は340ドルである。