報道発表

サモア独立国に対する無償資金協力(島嶼間フェリー建造計画)に関する書簡の交換について

平成20年6月13日
  1. 我が国政府は、サモア政府に対し、「島嶼間フェリー建造計画(The Project for Construction of the Inter-Islands Ferry)」の実施に資することを目的として、13億1,900万円を限度額とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月13日(金曜日)(現地時間、6月12日(木曜日))、同国の首都アピア市において、我が方高橋利弘駐サモア大使(ニュージーランドにて兼轄)と先方トゥイスガレタウア・ソファラ・アヴェアウ公共事業・運輸・社会基盤担当大臣(Tuisugaletaua Sofara Aveau, Minister of Works, Transport and Infrastructure)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容

     サモア船舶公社が、フェリー1隻(全長46.7メートル、総トン数1,000トン、貨物積載重量190トン、乗客定員740人)を建造するために必要な資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

     サモア政府は、島嶼間輸送サービスの向上を重要な戦略の一つとし、特に、サバイイ島とウポル島間の貨客輸送量が増加している中で、2島を結ぶ海上輸送の強化を重要な課題として掲げている。

     開発の遅れたサバイイ島は、サモアの経済振興上重要な役割を果たしているが、サバイイ住民の多くは、首都所在地であり経済の中心であるウポル島に就業及び教育機会を求めており、2島を結ぶフェリーは人的交流及び物資流通の大動脈として重要である。現在、2島間の海上交通については、サモア船舶公社が所有するレディサモアⅡ号(定員480名)とフォッツ・オ・サモアⅡ号(定員110名)が当たり、特に、レディサモアⅡ号は、乗客の約7割と車両の約5割の輸送を担っており、乗船率100%以上の便が年間85回にも及んでいる。しかしながら、レディサモアⅡ号は船齢19年に達し老朽化が著しく、突然の故障により年平均14日間、67便の欠航を余儀なくされている上、修理費も増加傾向にあり、安定的かつ安全な運航が困難な状況に至っている。

     このような背景のもと、サモア政府は「島嶼間フェリー建造計画」を策定し、新規船舶の調達に必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

     本計画の実施により、突然の故障による予期せぬ欠航日数が減少し、運行の安定化が期待される。また、定員が増強されることにより乗客定員超過の航海が減少するとともに、小型乗用車積載能力が増強されることにより、離島のライフラインの安全と増強が期待される。さらに、サバイイ島産品の都市部への輸送が促進され離島の現金収入が増加するとともに、サバイイ島への物資の流入が盛んになり観光開発及び生活改善が促進するといった間接的効果が期待される。

 (参考) サモア独立国は、ニュージーランドの北2,300キロメートル、ハワイの南3,700キロメートルの南太平洋上に位置する大小9つの島で構成された広さ2,935平方キロメートル(鳥取県より少し小さい)の島嶼国で、人口約18.5万人(2006年)、1人あたりのGNI(国民総所得)約2,270米ドル(2006年)である。

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