
人間の安全保障基金によるブラジル連邦共和国における「サンパウロ市におけるヒューマニゼーション・アクションを通じた人間の安全保障の持続的改善プロジェクト」への支援について
平成20年5月30日
- 我が国政府及び国連は、5月30日(金曜日)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連児童基金(UNICEF)、汎米州保健機構(WHO/PAHO)及び国連人口基金(UNFPA)がブラジル連邦共和国において実施する「サンパウロ市におけるヒューマニゼーション・アクションを通じた人間の安全保障の持続的改善プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、322万8,984.16ドル(約3億6,488万円)の支援を行うことを決定した。
- サンパウロでは、人口集中により教育、保健等の社会サービスの提供が困難な状況になっているほか、犯罪及び暴力事件が急増している。
本プロジェクトは、サンパウロの中でも貧困層が居住し、暴力問題が深刻な東部及び南部の地区において、保健、教育及びコミュニティ活動の分野で個人、家族及びコミュニティの能力強化、社会の異なるグループの参加を図ることにより、上記の課題に取り組むものである。主な活動は以下のとおり。
(1)思春期層を含む青年層、家族等を対象とした保健、リプロダクティブ・ヘルス、HIV/エイズ等に関する教育・訓練の実施
(2)平和推進及び平和文化の形成のための文化活動、和解に関するワークショップの実施、ネットワークの形成
(3)社会保障関係者及びその他の児童保護の専門家に対する訓練の実施等
- 本プロジェクトの実施により、サンパウロにおける暴力の抑制及び平和文化の形成が推進されるとともに、コミュニティレベルでの人間の安全保障の実現につながることが期待される。
(参考) 人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約372億円(約3億3,042万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の180件以上のプロジェクトを支援してきている。