
バヌアツの「ポートビラ港埠頭改善計画」に対する無償資金協力に関する書簡の交換について
平成20年5月26日
1.我が国政府は、バヌアツ共和国政府に対し、「ポートビラ港埠頭改善計画(the
project for Improvement of Port Vila Main Wharf)」の実施に資することを目的として、総額17億700万円(3か年にわたる国庫債務負担行為:平成20年度3億9,500万円、平成21年度10億2,000万円、平成22年度2億9,200万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月26日(月曜日)(現地時間同日)、同国のポートビラにおいて、我が方滑川雅士駐バヌアツ国大使(フィジーにて兼轄)と先方ジョージ・ウェルズ外務大臣(Hon.
George WELLS, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
2.本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- バヌアツ共和国のインフラ・公共事業省が、ポートビラ港を現在の荷役形態の主流であるコンテナ貨物に合わせた施設に改善し、係船時間及び荷役時間の短縮、離接岸の効率化及び港内航行の安全性の向上を図ることを目的に、同港のコンクリート・デッキの閉塞や管理棟整備、タグボート等の調達を行うための資金を供与する。
なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は本年1月28日に行われている。
(2)本計画の必要性
- バヌアツ共和国は島嶼国家であるため、国内外海運の玄関口として、またクルーズ船の寄港地として港の役割は大きい。特にポートビラ港は首都ポートビラ市のポントーン湾の南奥部に位置し、エファテ島ルガンビル港と共に同国における輸出入の大半を扱う重要な国際港である。
- 同港のメインワーフは1972年に供用が開始されたが、当時の港湾貨物の主体であったバラ荷貨物等を対象としていたため、現在のコンテナ化に対応できておらず、十分なコンテナヤードが確保できていないほか、港湾施設の構造上、桟橋からの運搬に時間を要し、コンテナ船からの陸揚作業に待機時間が生じている。
- また、同国法令により使用が義務化されている、港湾内で船舶を誘導するパイロットボートや船舶をえい航するタグボートも老朽化等により機能していない状況にある。
- このような状況の下、バヌアツ共和国政府は、ポートビラ港の改善を行うための資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- コンテナ運搬距離の短縮により、コンテナ貨物1個当たりのサイクルタイムが短縮される。
- サイクルタイムの短縮により、1隻当たりの係船時間が短縮され、荷役効率が改善され港湾サービスが向上する。
- タグボートの調達により航行の安全が保たれるほか、離着岸の支援により離着岸の安全性が向上し、離着岸時間が短縮される。
(参考) バヌアツは太平洋島嶼国の1つであり、面積は約1万2千km2、人口は約22.1万人である。