(1)本計画の内容
今回の貧困農民支援は、貧困状況に置かれたケニアの農民に対する支援と、同国政府の食糧増産に向けた自助努力の支援を目的として、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ等の栽培に必要な肥料を調達するために必要な資金を供与するものである。
(2)本計画の必要性
ケニアでは、国民の多くが農業及び牧畜業に従事しているが、森林伐採による砂漠化や、干ばつ、生産性の低い伝統的農法等のため農業生産は不安定であり、貧困層の大半は農民によって占められている。このため小麦等の主要作物の生産量も不十分で、食糧を国外からの輸入又は国際社会からの食糧援助に依存しており、食糧増産と安定供給体制の確立が急務となっている。ケニア政府も農業生産基盤の改善、適正な農業技術の普及、効率的な灌漑農業の導入など、食糧増産に取り組んでいるが、単位当たりの収量を向上させることが不可欠であり、肥料の必要性は大きい。こうした状況を踏まえ、ケニア政府は我が国に対し無償資金協力を要請したものである。
(参考) ケニア共和国はアフリカ東部に位置し、日本の約1.5倍の面積(約58万平方キロメートル)を有し、人口は約3,510万人、一人当たりGNI(国民所得)は約540米ドルである。