
ジブチに対する一般プロジェクト無償資金協力(タジュラ湾海上輸送力増強計画)に関する書簡の交換について
平成20年5月19日
- 我が国政府は、ジブチ共和国政府に対し、「タジュラ湾海上輸送力増強計画」
(le Projet de Renforcement de la Capacite de Transport Maritime a l’interieur
du Golfe de Tadjoura)の実施に資することを目的として、8億6,500万円(2カ年に亘る国庫債務負担行為。平成20年度:3億7,800万円、平成21年度:4億8,700万円)を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月19日(月曜日)(現地時間、同日)、ジブチ市において、我が方駒野欽一駐ジブチ国大使とマフムド・アリ・ユスフ外務・国際協力大臣(Mahmoud
Ali Youssouf, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。
- 本計画の概要は次の通りである。
(1)本計画の内容
- ジブチ海運局が、同国内海のタジュラ湾に於いて、南部の首都ジブチ市と北部主要都市のタジュラ、オボック市の間で運航されるフェリーボートの建造と、港湾機材の調達のために必要な資金を供与する。
- なお、本計画の詳細設計のための無償資金協力に係る書簡の交換は、平成20年1月16日に行われている。
(2)本計画の必要性
- ジブチは国土の大半が乾燥地で農業が発達しておらず、地下資源にも恵まれていない。ジブチ政府は2004年に貧困削減戦略文書(PRSP)を策定し、経済開発努力を行っているが、2001年までに最終和平案が合意されるまで内戦、武装勢力の抵抗が継続したため、現在も基礎インフラ等社会生活の基盤整備が十分ではない。
- ジブチはその厳しい自然環境から内陸部において居住が困難であり、首都ジブチ市とタジュラ、オボック等の主要都市は全てタジュラ湾の沿岸に位置している。このため、ジブチでは、タジュラ湾を航行する大小の船舶輸送が一般市民の移動、及び輸送の重要な手段となってきたが、運航の中心だった中型フェリー船が老朽化し、2004年には運航中止となった。このため市民は生活物資の輸送でも著しい不便を被っており、木造船による湾内海難事故も発生している。しかし、ジブチ政府の財政は困難な状況にあり、フェリーボート建造等に必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請したものである。
(3)本計画の効果
- 首都ジブチと北部主要2都市間の公共海上交通路の整備により、年間約2万6,000人の乗客、輸送貨物量約1,500トンの輸送が可能になる。また陸上輸送と比較し移動時間が3分の1に短縮される。
- 現在不安定な木造船等に依存している海上交通の安全性が確保され、安定した運輸手段の確保により、ジブチ北部地域の経済発展に貢献する。
(参考) ジブチは四国の約1.3倍の面積(2.3万平方キロメートル)、人口は約79万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1,060ドルである。