
人間の安全保障基金によるボリビア共和国における「思春期層のための人間の安全保障:暴力、早期妊娠、妊産婦死亡及びHIV/AIDSに対する能力強化及び保護プロジェクト」への支援について
平成20年5月2日
- 我が国政府及び国連は、5月2日(金曜日)、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)及び汎米州保健機構(WHO/PAHO)がボリビア共和国において実施する「思春期層のための人間の安全保障:暴力、早期妊娠、妊産婦死亡及びHIV/AIDSに対する能力強化及び保護プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、109万5,600ドル(約1億2,380万円)の支援を行うことを決定した。
- ボリビアでは、高い妊産婦死亡率、家庭内暴力等が深刻な社会問題となっているほか、若年層の妊娠が多く見られ、HIV/AIDSのリスクが高まっている。
本プロジェクトは、特に思春期層を対象に、保健サービスの提供、性・権利に関する教育の実施、コミュニティにおけるネットワークの形成等を行うことにより、上記の課題に取り込むものである。主な活動は以下のとおり。
(1) 病院・医療ポストの改善、社会・医療サービスの改善、保健医療関係者への研修等を通じた妊産婦を含む思春期層の保護。
(2) 思春期層、教員、NGO等を対象とした保健、性、HIV/AIDS、性差に基づく暴力に係る意識の向上
(3) 暴力、若年妊娠、妊産婦死亡等に対する社会的保護及び能力強化を通じた思春期層のための人間の安全保障の確立に向けた公共政策の策定の促進
- 本プロジェクトの実施により、ボリビアの思春期層の保護及び性・保健に関する能力強化が図られ、人間の安全保障の強化につながることが期待される。
また、本プロジェクトには、国際協力機構(JICA)も協力機関として参加しており、今後、我が国二国間援助との連携が期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の180件以上のプロジェクトを支援してきている。