報道発表

第5回アジア不拡散協議の結果について

平成20年4月25日
  1. 第5回アジア不拡散協議(Asian Senior-level Talks on Non-Proliferation: ASTOPⅤ(エーストップ・ファイブ))が、4月25日(金曜日)、三田共用会議所において開催され、主催国である我が国の他、ASEAN諸国、中国、韓国、米国、豪州、カナダ、ニュージーランドから、不拡散政策担当者(局長級)がそれぞれ参加した。
  2. 協議においては、木村仁(きむら・ひとし)外務副大臣がオープニングスピーチを行った。その中で、大量破壊兵器等の拡散がアジア地域をはじめとする国際社会の平和と安定に対する脅威であるとの認識の下、我が国はこれまでASTOPを開催してきた旨紹介した。また、本年は我が国がG8議長国を務めることから、不拡散の取組に関するアジア諸国の関心事項等の本件協議の成果を今後G8プロセスで行われる不拡散関連の議論にも反映していく考えを表明した。更には、北朝鮮の核・ミサイル問題及びイランの核問題等の不拡散上の懸念につき言及するとともに、我が国としてアジア地域における不拡散の取組の強化に資する協力を行っていくとの考えを表明した。(木村外務副大臣スピーチ仮訳別添
  3. 今回の協議の主なポイントは以下のとおり。
  4. (1)  不拡散を巡る最近の情勢として、北朝鮮による弾道ミサイル発射、核実験実施発表から六者会合の現状、イランの核問題に関する最近の状況及び米国政府が発表したシリアにおける不拡散上の懸念につき意見交換が行われた。

    (2)  アジア諸国による不拡散への取組に関し、不拡散関連の安保理決議の履行や輸出管理体制の強化、IAEA追加議定書の普遍化の重要性についての認識が改めて共有された。また、原子力ルネサンス(注)の流れを受け、不拡散(non-proliferation Safeguards)、核セキュリティ(Security)、原子力安全(Safety)の3Sを含む原子力平和利用促進のための基盤整備の重要性についても指摘がなされた。更に、これらの措置の国内実施における経験、またそれに伴う困難等について、率直かつ有意義な意見・情報交換が活発に行われた。

    (3)  不拡散の新たな取組として、拡散に対する安全保障構想(PSI)につき、昨年我が国が主催したPSI海上阻止訓練「Pacific Shield 07」の成果のにつき紹介した。また、海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約(SUA条約)2005年議定書に関し、その意義が確認されるとともに、各国の取組が紹介された。

    (注) 原子力ルネサンス:近年、国際的なエネルギー需要の顕著な増大と地球温暖化問題への対応の必要性を背景に、原子力発電が再評価され、その拡充及び新規導入を企図する国が増加するという流れ。

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