
高村外務大臣とロウセフ・ブラジル大統領府文官長との会談
平成20年4月23日
- 高村正彦外務大臣は、4月23日(水曜日)午後6時30分から午後7時まで、外務省賓客として、24日午後に行われる日本ブラジル交流年/日本人ブラジル移住100周年記念式典にブラジル政府代表として出席するために訪日中のブラジル連邦共和国ジルマ・ロウセフ大統領府文官長と会談した。
- 冒頭、高村外相は、同文官長に対し、記念式典出席のための訪日につき謝意を述べるとともに、ブラジルでは過去100年にわたる日系社会の活躍が両国間の信頼関係醸成につながっており、右を活かし近年緊密化しつつある二国間関係を再び大きく前進させる機会としたいと述べた。また、本年6月に日伯交流年の日本側名誉総裁である皇太子殿下のブラジル御訪問が検討されていることに言及した。これに対し、ロウセフ文官長より、これまで永きにわたり良好に推移してきた両国関係にとっての一つの節目となる今般の100周年に当たり、単に過去の実績を回顧するだけでなく、今次訪日中の日本政府の関係者との協議を通じ、将来に向けた明るい展望を得ることができた旨述べた。また、皇太子殿下のブラジル御訪問に歓迎の意が示された。
- ロウセフ文官長より、両国の具体的協力分野として、ブラジルにおける高速鉄道建設計画、デジタルテレビ放送、原子力発電分野における協力に言及しつつ、両国間の協力の推進につき期待が表明された。これに対し、高村外相より、二国間経済関係は近年様々な分野で再活性化しており、交流年を契機に一層弾みをつけたいと述べるとともに、ブラジルにおけるデジタルテレビの日本方式採用に言及の上、日伯経済協力の進展へのロウセフ文官長の貢献を高く評価している旨述べた。また、ブラジルのリオデジャネイロからサンパウロ間の高速鉄道建設計画が本格化しつつあることに関し、我が国の新幹線は世界最高の技術を有しており、今次滞在中に新幹線技術に関する理解を深められることを期待する旨述べた。
- 在日ブラジル人の問題について、ロウセフ文官長より、年金問題、子女教育、司法共助等の問題を解決していくため、日本側と意見交換を行っていきたい旨述べたのに対し、高村外相より、在日ブラジル人を巡る諸問題については、我が国政府としてもできる限りの支援を実施しているが、両国が共同で取り組むことが重要な課題も多く、政府間の作業部会等の取組みを通じて解決を図っていきたい旨述べた。
【参考1】 日本ブラジル交流年
日本・ブラジル両国は、日本人のブラジル移住100周年に当たる本年を「日本ブラジル交流年」として祝賀することとしており、本年は両国において様々な記念行事が実施される。
【参考2】 日本政府主催日本ブラジル交流年・日本人ブラジル移住100周年記念式典
4月24日(木曜日)16時30分より、ホテルオークラ東京「平安の間」にて開催。天皇皇后両陛下並びに皇太子殿下が御臨席になるほか、福田康夫内閣総理大臣、河野洋平衆議院議長、江田五月参議院議長、島田仁郎最高裁判所長官、麻生太郎日本ブラジル交流年実行委員会名誉会長、ジルマ・ロウセフ・ブラジル大統領府文官長(ブラジル政府代表)、ウエハラ・コウケイ・ブラジル日本移民100周年記念協会会長が出席する。また、両国の国会議員、日本ブラジル交流年実行委員会メンバーに加え、在日ブラジル関係団体、在ブラジル日系人団体、地方自治体関係者なども出席する。