報道発表

ウガンダ共和国及びブルキナファソに対する国連食糧農業機関(FAO)を通じた無償資金協力(貧困農民支援)に関する書簡の交換について

平成20年3月14日
  1. 我が国政府は、国連食糧農業機関(FAO)を通じ、「貧困農民支援」として、以下2件の事業に対する合計3億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、日本時間3月14日(金曜日)(現地時間、同日)、ローマにおいて、我が方中村雄二駐イタリア国大使と先方ジェームス・バトラーFAO事務局次長(Mr. James G. BUTLER, Deputy Director-General)との間で行われた。

    (1)ウガンダ共和国における食糧安全保障と貧困削減のための革新的稲作総合生産システムを通じた農業・農村開発事業 
    (1億5,000万円)

    (2)ブルキナファソにおける食糧安全保障と貧困削減のための革新的稲作総合生産システムを通じた農業・農村開発事業 
    (1億5,000万円)

  2. 本事業計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

     本計画は、貧困農民への支援に力点をおいた食糧生産の増大に寄与するため、ウガンダ及びブルキナファソにおいて、優良種子(含む、ネリカ米)、肥料、小型トラクター等の農業資機材や改良技術の普及を含む農業技術の供与並びにそれらを通じた効率的な稲作農業生産を基盤とする持続的な農業システム(「革新的総合稲作生産システム」)を構築し、米生産性向上及び農家収入増加による農村の貧困削減を支援するものである。なお、ウガンダ及びブルキナファソ国内の関係機関との協力はもとより、両国内で実施している国連世界食糧計画(WFP)による事業等との緊密な連携を図ることとしている。

    (2)本計画の必要性

    (イ)ウガンダでは、都市化と学校給食の普及に伴い米需要が増加しており、年間6万トンから7万トンの米を輸入しているため、ウガンダ政府は米増産・自給を最優先政策の一つとしているが、良質な種子が十分に普及しておらず、生産手法も伝統的なものが主流であるために米の生産性は低迷したままであり、また収穫後も必要な資機材が不足しているために収穫量の約2割が失われてしまう状態である。

    (ロ)ブルキナファソでは、現在急速な人口増加が進んでいるものの、主要食糧である米は肥料も利用せず、手作業による伝統的生産が主流であるために生産性が低い。また必要な資機材が不足しているために収穫後も約2割が失われてしまう状態であり、結果として国内の需要を満たすために米を輸入する必要が生じている。

    (ハ)FAOは食糧安全保障の改善及び農家収入の向上を図るために、ウガンダ及びブルキナファソの農業・農村を「革新的稲作総合生産システム」を通じて開発する事業を策定し、我が国に対し協力を求めてきたもの。

    (3)本無償資金協力の効果

    (イ)ウガンダについては、農村部の約1万人の農家の食糧安全保障・収入の改善に資する他、種子品質管理、稲作基盤生産システムに関する農民のキャパシティの向上が期待される。

    (ロ)ブルキナファソについては、農村部の約4,000戸の貧困農民の食糧安全保障・収入の改善に資する他、種子品質管理、稲作基盤生産システム、更には米作と水田を有効利用した淡水魚養殖の連携に関する農民のキャパシティの向上が期待される。

(参考)
 ウガンダ共和国の面積は241,000平方キロメートル、人口は約2,900万人、一人当たりGNI(国民所得)は約280ドルであり、ブルキナファソは、274,000平方キロメートル、人口は約1,400万人、一人当たりGNI(国民所得)は約460ドルである。

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