
レソト王国に対するコミュニティ開発支援無償資金協力「中等学校建設計画」に関する書簡の交換について
平成20年3月7日
- 我が国政府は、レソト王国政府に対するコミュニティ開発支援無償資金協力「中等学校建設計画」(the
project for Construction of Secondary Schools)の実施に必要な資金として、7億1,500万円を供与額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月7日(金曜日)(現地時間、同日)、プレトリア市において、我が方古屋昭彦駐レソト大使(南アフリカにて兼轄)と先方マツィリソ・クミ在南アフリカ・レソト王国臨時代理大使(Ms.
Matseliso Kumi, Charge' d' Affaires ad interim, High Commission of the Kingdom
of Lesotho in the Republic of South Africa)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- レソト教育・訓練省が、対象7県(レリベ、マセル、ベレア、クティング、ブータブーテ、モコトロング、マフェテング)における各校6教室、理科実験室、及び管理諸室(校長室、職員室、倉庫)の建設、便所、給水施設の整備を行うために必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- レソトにおける中等教育の状況は、就学率25.4%と依然低水準にあるが、1999年以降生徒数は年間約7.5%の割合で上昇しており、レソト政府はこれに対応すべく新規の教室の増設を行っているほか、既存の小学校の教室を一部中等学校として代用するなどの措置を取っている。
- また、レソトでは、“Education for All”の目標を達成するために、国連憲章において宣明された「子どもの権利条約」を1992年に批准し、続いて1993年にレソト国憲法を制定し「初等教育はすべての者の義務であり、すべての者に提供される」としている。この目標を2015年までに達成するためにレソトは「初等教育無償化プログラム(Free
Primary Education Program: FPE)を策定・施行し、初等教育の無償化に取り組んでいる。
- しかしながら、この初等教育無償化政策により、中等教育の就学率の大幅な増加が見込まれ、レソト政府は2015年には不足教室が3,622教室となるとの予測を行っているが、同国の依然として厳しい財政事情から、それに対応するだけの中等教育の校舎数を整備することが困難な状況である。
- このような状況のもと、中等教育環境の改善と中等教育へのアクセスの向上を図るため、教育施設の不足状況の改善に資するため、レソト政府は優先度の高い7県に各1校の中等学校建設に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 教室を建設することにより、教室不足のために就学機会が与えられなかった1,680人に対して中等教育の就学機会が与えられる。
- 給水施設を整備することにより、就学予定児童1,680人および教員に、安全な水を供給することが可能となる。
(参考) レソトの面積は約3万平方キロメートル、人口は約180万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1030ドル(2006世銀統計)である。