
中曽根外務大臣とウリベ・コロンビア大統領との会談(概要)
平成20年11月22日
11月21日(現地時間)、コロンビアを訪問中の中曽根外務大臣は、ボゴタ市内カタム空軍基地において、午前10時50分より約30分間、ウリベ・コロンビア大統領と会談を行ったところ、概要以下のとおり。
- 冒頭、ウリベ大統領より、中曽根大臣のコロンビア訪問に歓迎の意が示されるとともに、本年、日本と外交関係樹立100周年を迎えることができたことを嬉しく思うと述べた。また、図書館建設をはじめとする日本の対コロンビア協力に深甚な謝意が示され、日本との関係を一層強化していきたいとの意向が示された。その関連で、ウリベ大統領より、コロンビアの大切な友人である日本とのつながりを更に深めるため、日本との間で投資協定及び租税条約の早急な締結、また、経済連携協定(EPA)の締結を希望している旨述べた。
- 中曽根大臣よりは、冒頭、最近のコロンビアにおける自然災害被害にお見舞いの意を表しつつ、外交関係樹立100周年の本年、日本の外務大臣として、1985年の安倍外務大臣の訪問以来23年ぶりにコロンビアを訪問できたことは喜ばしい、コロンビアはわが国と価値観を共有する重要なパートナーであり、引き続き協力していきたいと述べた。また、投資協定の締結に向けた交渉を開始するとともに、租税条約の締結等の課題に向けても今後取り組んでいきたいと述べた。
- 中曽根大臣より、リマで行われたAPEC閣僚会議の議論を紹介しつつ、わが国として、90年代の金融危機への対応の経験を踏まえ、IMFへの1000億ドルの拠出を含め、金融危機の影響を受ける途上国の支援を行っていきたい旨述べた。これに対し、ウリベ大統領より、国際金融危機への対応にかかる日本の貢献につき高い評価が示されるとともに、コロンビアは金融面での問題は生じていないものの、金融危機の影響による景気後退への対策として、公共事業を積極的にやっていく必要があり、そのために日本からの融資をお願いしたいと述べた。これに対し、中曽根大臣より、日本からのコロンビアへの投資が一層促進されることを期待しており、その観点から、ウリベ大統領の取組により近年治安が大きく改善していることはすばらしく、今般の自分の訪問自体、コロンビアの治安が改善していることの証であると述べた。
- ウリベ大統領より、コロンビアの地理的位置につき地図を示しながら説明しつつ、コロンビアのAPEC参加に対する支持につき期待の表明があった。これに対し、中曽根大臣より、わが国としても、コロンビアが長年APECへの参加を強く希望していることは十分認識しているが、1カ国だけで決められるものではないので、コロンビアの要望を踏まえて今後検討していきたいと述べた。
- さらに、中曽根大臣より、「米百俵」の逸話を紹介しつつ、スペイン語版の本をウリベ大統領に進呈し、将来の国の発展のためには教育への投資を行うことが重要であり、その意味で、ウリベ大統領が教育に力を入れておられることはすばらしいと述べたところ、ウリベ大統領は、ハーバード大学において、日本の産業政策につき学ぶ機会があったが、その際、日本の発展の基礎は教育にあると教えられたと述べた。