11月21日9時20分(現地時間)より約50分間、コロンビア訪問中の中曽根外務大臣は、ベルムデス・コロンビア外務大臣主催朝食会に出席したところ、概要以下のとおり。
冒頭、中曽根外務大臣より、今次訪問は、外交樹立100周年の節目における、日本の外務大臣として23年振りの訪問であり、100年間で築かれた友好関係を更に発展させていきたいと述べた。また、最近コロンビアで発生した火山噴火及び大雨の被害に関し、お見舞いを表明した。
ベルムデス外相よりは、今回の中曽根外務大臣のコロンビア訪問を高く評価するとの発言があった。
ベルムデス外相より、コロンビアは40年前よりテロ、内戦、麻薬等の問題が存在しており、毎年誘拐被害を含め多数の被害者が発生していたが、近年現政権の努力の下、治安状況は大きく改善している、このような治安の改善もあり、最近は外国よりの直接投資が急増しており、高い経済成長率を記録するなど、経済は発展している旨述べた。また、同外相より、直接投資と共に観光客も急増しており、コロンビアは貿易相手国として相応しい国であると強調した。さらに、同外相よりは、対外投資誘致のため、税の優遇措置を始めとした様々な措置を講じているとの説明があり、我が国とも早急に投資協定及び租税条約締結に向けた交渉を開始したいとの発言があった。
これに対し中曽根外務大臣より、コロンビアとの投資協定締結交渉を開始することとしたいと述べた。また、同大臣は、投資協定の締結により、日本企業の自由な投資活動を保証するとともに、投資財産の保護を図ることは、我が国からの投資を促進する上で極めて重要であるが、それに加えて、コロンビアにおける手続きの簡素化や規制の撤廃等、投資環境の一層の整備が重要であると指摘した。さらに、中曽根外務大臣より、コロンビアで活動する日本企業は少ないと思われるので、進出企業増加に向けて自分の立場で努力したいと述べた。
ベルムデス外相よりは、従来のコロンビアのイメージを覆すためにも、実際にコロンビアを一度訪れていただくのがよいと応じた。
ベルムデス外相より、日本は、120件の学校建設や100件の児童図書館整備を行うなど、コロンビア市民にとって必要な支援を行ってくれており、日本の経済協力に深く感謝しているとの発言があった。また、同外相は、日本は、対コロンビア支援国グループ(G24)において議長国として重要な役割を担っており、現地大使館の努力に感謝していると述べた。
中曽根外務大臣より、我が国は、コロンビアの平和構築への取組を支援するため、地雷撤去の分野でも、2007年及び2008年、支援を行っていると述べた。これに対し、ベルムデス外相より、コロンビアにおける地雷被害は依然として深刻であり、明年オタワ条約締結国会議を主催するなど、国際協力の下、地雷撤去に取り組んでいきたいと述べた。
ベルムデス外相より、コロンビアは早い段階からAPEC加盟についての希望を表明しており、2010年にAPEC新規加盟のモラトリアムが解除された際にAPECに新規加盟したく、2010年に日本がAPEC議長国を務める際には重要な課題となる旨述べた。
これに対し、中曽根外務大臣よりは、コロンビアと日本は基本的価値を共有する太平洋の東西に位置する親しい友人であり、今後関係を深めていきたい重要なパートナーである、新規メンバーの参加については、地域統合や開かれた経済に向けたAPECの歩みを保ちつつ議論することが重要であるが、コロンビアの希望を強く受け止め、今後検討したいと応じた。
中曽根外務大臣より、常任理事国の拡大を含む安保理改革について、コロンビアと建設的な対話を行っていきたいと述べた。これに対し、ベルムデス外相は、国連改革についてはコロンビアはコンセンサス・グループの一員として活動しているが、こうした中でも意見の一致を模索すべくすべての加盟国が対話を継続することが重要であると応答した。