報道発表

人間の安全保障基金「コソボ共和国の安定及び人間の安全保障の実現」への支援について

平成20年10月31日
  1. 我が国政府及び国連は、10月31日(金曜日)、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連開発計画(UNDP)及び国連ボランティア計画(UNV)が実施する「コソボ共和国ミトロビツァ南・北及びズベチャンにおけるコミュニティの安定及び人間の安全保障の実現のためのマルチ・セクター・イニシアティブ」に対し、人間の安全保障基金を通じて304万6,788.80ドル(約3億4,000万円)の支援を行うことを決定した。本件は、本年7月に行われたコソボ支援国会合において我が国が表明したコミットメントを実現するものである。
  2. コソボ紛争終結からおよそ10年を経た現在においても、アルバニア系とセルビア系コミュニティとの対立と民族分断はミトロビツァ市の南、北及びズベチャン市の強い懸念材料である。民族対立による公共サービス提供の政治化、それに伴う質の高い公共サービスへのアクセスの悪さ、少数民族集団の人権の保護及び経済的な機会の欠如は、これらの地域の安定的な開発の阻害要因となっている。本事業は、以下の事業の実施を通じて、女性、青年、ロマ人、アシュカリ人、エジプト人などの少数民族集団など周辺化されたグループに焦点を当てつつ、地域住民の劣悪な生活水準の改善を図り、かつ彼らの自立を図るものである。
  3. (1)訓練やワークショップを通じて、社会的な保護、医療保健、教育における地元当局者の能力強化を図る。

    (2)スキル向上及び実働経験のための短期的雇用の創出、起業家のための訓練の実施、起業及び小規模事業運営のための小額な助成金給付を実施する。

    (3)コミュニティにおける合同事業への少数派グループの参加メカニズムの確立及び女性や青年の起業を促進する。

    (4)地域のオーナーシップを醸成するための訓練及びコミュニティ活動計画の実施を通じて地元NGO及び地域市民組織(CBO)における自治の能力を強化する。

  1. 本プロジェクトの実施により、コソボの多民族社会における平和的共存と持続的発展が期待される。

 

(参考)

人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約373億円(約3億3,043万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の180件以上のプロジェクトを支援してきている。

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