報道発表

ナイジェリアに対する無償資金協力(中波ラジオ放送網整備計画(第1期))に関する書簡の交換について

平成19年8月16日
  1. 我が国政府は、ナイジェリア連邦共和国政府に対し、「中波ラジオ放送網整備計画(第1期)」(The Project for Improvement of Medium Wave Radio Broadcasting Network)の実施に資することを目的として、6億4,200万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月16日(木曜日)(現地時間同日)、アブジャにおいて、我が方田中映男駐ナイジェリア国大使と先方ジョン・オガー・オデイ情報通信大臣(Mr. John Ogar Odey, Honourable Minister of Information and Communications, Federal Republic of Nigeria)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。
  3. (1)本計画の内容
    ナイジェリア政府が、2つの中波ラジオ送信所の送信システムを整備することにより、中波ラジオの放送対象地域を拡大するための資金を供与する。本計画は2期に分けて行うこととしており、今回の協力は第1期として、ジャジ送信所(カドゥナ局)の中波送信システムの調達・据付工事を行うものである。

    (2)本計画の必要性
    ナイジェリアのラジオ普及率は全世帯の76%、貧困率の高い地域で活動する遊牧民だけに限ると86%であり、テレビ(同36%)や一般加入電話、携帯電話(各同1.5%、28%)に比べて極めて高い割合となっている。一方、15歳以上の非識字率が約35%の同国にとって、ラジオ放送は生活に必要な情報を提供し、国民に普及啓蒙を図る情報を伝達する教育・啓蒙放送として大きな役割を担っている。とりわけ北部の遊牧民(630万人)と南部の遊動漁民(280万人)にとって、広い範囲で受信が可能な中波ラジオ放送が最も便利で唯一の即時性メディアとなっている。
    こうした中、ナイジェリア・ラジオ放送公社は、唯一の全国放送を行う公共放送として教育・啓蒙放送に力を入れており、放送時間の4割から5割程度を同分野の番組にあてている。しかし定期的な保守整備を行いながらも、交換部品の入手が困難なため、1970年代に整備した送信機の性能劣化が進み、送信出力は低下している。そのため遊牧民や遊動漁民を含む貧困層が多い地域向けに行っている中波ラジオ放送の送信範囲は、当時の1割程度しか確保できない状態である。
    このような状況の下、ナイジェリア政府は、5つの送信所のうち、もっとも送信効率の高い2つの送信所の中波ラジオ送信システムの機材を整備するために必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果
    ・  ジャジ送信所(カドゥナ局)の整備により、ラジオ放送の受信可能人口が現在の930万人から4,600万人に増加する。

    ・  教育機関等との協力により遠隔教育の改善が図られ、教育水準の向上に寄与する。

    ・  公共放送に必要な送信機の継続的な利用が可能となり、安定した放送を行うことができる。

 

(参考) ナイジェリア連邦共和国は、面積約92.4万平方キロメートル、人口1億3,900万人、人口1人当たりのGNI約560米ドル(平成16年)

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