報道発表

人間の安全保障基金による「アラブ地域における人間の安全保障概念の普及計画」プロジェクト支援について

平成19年6月29日

  1. 我が国政府及び国連は、6月29日(金曜日)、国連教育科学文化機関(UNESCO/ユネスコ)が実施する「アラブ地域における人間の安全保障概念の普及計画」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、22万350ドル(約2,556万円)の支援を行うことを決定した。
  2. 2004年の人間の安全保障委員会報告書「安全保障の今日的課題」のアラビア語訳の発行後、アラブ地域1において人間の安全保障概念の推奨と促進のための会議が開催されてきた。本プロジェクトは人々の生存、生活、尊厳に対する様々な脅威に取り組むために、アラブ地域の政策決定者、研究者及び市民社会に対し、以下の活動を通じて、人間の安全保障の概念のより一層の普及を図るものである。

    (1)プロジェクト後半に開催される高級レベル会議に向け、アラブ地域における人間の安全保障の脅威、課題及び実現の機会や過去に同地域においてみられた人間の安全保障に関するイニシアチブの成果について研究し、政策提言をとりまとめること。

    (2)人間の安全保障の概念に沿った政策の立案を支援するために、アラブ連盟事務局内に「人間の安全保障ユニット」を設立し、その能力強化を支援すること。

    (3)上記の政策提言を討議し、アラブ地域における人間の安全保障に関する最終提言を採択するために、アラブ連合加盟国からの政策決定者、専門家及び市民社会からの参加者を得て人間の安全保障に関する高級レベル会議を開催すること。

  3. 本プロジェクトの実施により、人間の安全保障の概念がアラブ地域において一層浸透することが期待される。

    注1 アルジェリア、バーレーン、コモロ、ジブチ、エジプト、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメン

    (参考)

    人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の170件以上のプロジェクトを支援してきている。

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