
人間の安全保障基金によるボスニア・ヘルツェゴビナにおける「貧困削減を通じた地域での民族融和」プロジェクト支援について
平成19年6月1日
- 我が国政府及び国連は、6月1日(金曜日)、国連開発計画(UNDP)及び国連教育科学文化機関(UNESCO)がボスニア・ヘルツェゴビナにおいて実施する「貧困削減を通じた地域での民族融和」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、234万9,597.83ドル(約2億7,255万円)の支援を行うことを決定した。
- 民族間紛争終結後10年を経ても、ボスニア・ヘルツェゴビナは紛争後の諸課題に直面しており、観光産業に大きな可能性を持ちながら、高い失業率、貧困及び大量の地雷が経済復興と発展を阻害している。本プロジェクトは、同国のストラッツ市、トレビニエ市及びモスタル市南東地区において、市当局及び民間組織への能力強化の支援を行うことにより、長期的な社会経済的発展の実現を目指すものである。主な活動は以下の通り。
(1)所得創出活動に必要な土地18万平方メートルから地雷を除去すること。
(2)地域住民の公衆衛生の実現とよりよい住環境の改善のため、地方行政及びコミュニティの廃棄物管理能力を強化すること。
(3)技術支援や小規模融資の実施を通じて、地方政府、NGO及び市民による観光分野での小規模事業の立ち上げを支援すること。(同コンポーネントはJICAによる2005年の「ボスニア・ヘルツェゴビナ国エコツールズムと持続可能な地域づくりのための開発計画調査」を基に作られた。)
(4)民族融和の取組の一環として上記3市で行われる文化財や史跡の修復を支援すること。
- 本プロジェクトの実施により、ボスニア・ヘルツェゴビナの上記3市における持続的な社会経済的発展と平和構築が促進されることが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の170件以上のプロジェクトを支援してきている。