報道発表

日越協力委員会第1セッション及び日越外相会談(ワーキングディナー)

平成19年5月23日

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  23日、麻生外務大臣は、日経「アジアの未来」への出席にあわせ来日中のファム・ザー・キエム・ベトナム副首相兼外務大臣と19時から19時45分に第1回日越協力委員会(第1セッション)を共催し、引き続き19時45分から21時20分に日越外相会談(ワーキングディナー)を行ったところ、概要以下の通り。なお、協力委員会の冒頭に、両外相間で、同委員会設立に関する覚書に署名した。

 

1.日越協力委員会第1セッション

(1)冒頭
   麻生大臣より、キエム副首相の外務大臣としての初訪日を歓迎しつつ、ベトナムを「自由と繁栄の弧」の形成において重視しており、昨年の首脳間相互訪問や共同声明で「戦略的パートナー」に合意したことはその現れ、更に関係を促進したい旨述べた。それに対し、キエム副首相より、両国間には共通点が多く、また国際社会での日本の地位を鑑みれば、両国関係を「戦略的パートナー」に高めることに合意したことは正しい政治決断であった、関係を全面的に発展させたい旨述べた。

(2)経済関係
   キエム副首相より、EPA交渉をこれまで2回行ったが、ベトナムは途上国であるという立場を理解して頂きたい旨の要請があった。それに対し、麻生大臣より、ベトナムがドイモイ路線による市場経済化を進め、昨年のAPEC首脳会合主催、本年のWTO加盟を評価しており、両国間の貿易・投資が拡大していることを指摘しつつ、EPAの早期締結及び日越共同イニシアティブによる投資環境整備が重要である旨述べた。

(3)経済協力
   キエム副首相より、ベトナムは2020年までに基本的に工業国となることを目標としており、ズン首相より要請のあった3案件(南北高速道路、南北高速鉄道、ホアラック・ハイテクパーク)の実現が同目標達成の上でも重要である旨の説明があった。それに対し、麻生大臣より、2月に調査団を派遣し、現地では関係者による協議会を開催しており、日本側として今後とも真剣に対応していきたい旨説明した。

(4)エネルギー
   麻生大臣より、石油価格が上昇するなかでの代替エネルギー(石炭液化、原子力協力)について言及した。

 

2.日越外相会談

(1)文化交流
   キエム副首相より、来年日越両国は外交関係樹立35周年を迎えるので、ベトナム・フェスティバルを日本で行うことを検討したい旨述べた。麻生大臣より、35周年を迎えるので両国で然るべく祝いたい旨述べた。

(2)北朝鮮
   麻生大臣より、拉致問題を含む北朝鮮問題の重要性を説明しつつ、ベトナムの協力を要請した。キエム副首相より、北朝鮮の核実験、ミサイル開発や拉致問題に反対している、先般日朝国交正常化作業部会をハノイで開催したが、今後とも必要な協力を行いたい旨述べた。

(3)国連安保理
   キエム副首相より、これまでもベトナムは日本の国連安保理常任理事国入りを支持しているが、2008年の非常任理事国選挙についても支持する旨表明した。

(4)大陸棚限界委員会選挙
   キエム副首相より、6月の大陸棚限界委員会選挙において日本の候補者を支持する旨表明した。

(5)三角協力
   キエム副大臣より、アフリカ支援に関する日本との三角協力の要請があり、麻生大臣より前向きに検討したい旨述べた。

(6)エネルギー
   両外相間で、石油価格が上昇を背景とし、原子力を含む代替エネルギーや省エネについて意見交換を行った。
 

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