今回の食糧援助の対象と内訳(カッコ内は供与額)。
(1)東ティモール民主共和国社会的弱者 |
(1億4,000万円) |
(2)スリランカ民主社会主義共和国社会的弱者 |
(5億円) |
(3)ウガンダ共和国社会的弱者 |
(4億7,000万円) |
(4)ギニアビサウ共和国社会的弱者 |
(2億4,000万円) |
(5)ケニア共和国社会的弱者 |
(6億円) |
(6)コンゴ共和国社会的弱者 |
(2億9,000万円) |
(7)ソマリア民主共和国社会的弱者 |
(3億円) |
(8)中央アフリカ共和国社会的弱者 |
(3億4,000万円) |
(2)スリランカにおける食糧不足は、干魃や洪水の影響に加え、近年はインド洋大津波や民族紛争による影響が大きく、特に北・東部の分離独立を求める反政府組織と政府軍との紛争地域での食糧不足が深刻で、5歳以下の子供の40%が低体重、25%が発育不良となっている他、紛争により多数の避難民が発生している。
(3)ウガンダ北部では、およそ20年にも及ぶ反政府勢力(「神の抵抗軍(LRA)」)と政府軍との戦闘により、産業基盤がほとんど破壊され、農業生産は衰退した。現在、和平に向けた交渉が継続されてはいるが、266の難民キャンプに逃れている国内避難民の多くが治安上の理由から、帰郷できないでいる。
(4)ギニアビサウは、国連開発計画(UNDP)の人間開発指数(HDI)で177か国中173位にランクされる最貧国の一つであるが、度重なる軍人の武装蜂起など政情不安定なため海外からの投資も進まず、全世帯の35%が食糧不足の影響を受けている。特に農村では農閑期に急性栄養失調と子供の死亡率が高い。
(5)ケニアは、2003年以降の降雨量の減少が東部、北部の農牧畜業に多大な影響を与えている。農民は貧困のため農機具、備蓄用の種子等を手放し、援助に頼る生活をするようになっている。重症の栄養失調者の割合は世界最悪である。
(6)コンゴ共和国は1997年から7年に亘る内戦のため貧困化が進み、栄養失調率、HIV感染率も上昇した。農業生産高は激減し、5歳以下の子供の4人に1人は発育不良で死亡率は10%を超える。貧血は子供の65%、妊産婦の60%~70%に見られる。
(7)ソマリアは1991年から内戦状態にあるが、本年3月から4月にかけての過去最悪と言われる戦闘で多数の死者と30万から40万人(首都人口の3分の1以上)の国内避難民が発生し、これまでに、150万人が国外避難し、200万人が国内避難民となっている。また、近年の干ばつのため食糧危機の状態にある。
(8)中央アフリカ共和国では、過去10年間に4回ものクーデターがあり、国内紛争のためにインフラの破壊と国土の荒廃を招いた。治安の悪化のため経済発展が妨げられ、農村地帯から住民も避難したため食糧事情が一層悪化している。成人のHIV感染率は10.7%(2005年)で、エイズ孤児の数は10万人を超える。
(参考) 各国基礎データ
国名 |
面積(万km²) |
人口(百万人) |
一人当たりGDP(米ドル) |
1.4 |
1.0 |
840 |
|
6.5 |
19.8 |
1300 |
|
24.1 |
29.9 |
300 |
|
3.6 |
1.6 |
190 |
|
58.3 |
35.1 |
580 |
|
34.2 |
4.1 |
950 |
|
63.8 |
8.5 |
データ無し |
|
62.3 |
4.1 |
360 |
出典:[面積] 外務省ホームページ、[人口、一人当たりGDP] 世界銀行データ(2006年)