12月10日(月曜日)、10時00分から約30分間、高村外務大臣がラージャパクサ・スリランカ大統領を表敬訪問したところ、概要は以下のとおり。
高村外相から、民族問題の政治的解決のためスリランカ政府が取り組んでいる権限委譲案を、LTTE(タミル・イーラム解放の虎)を含む全ての当事者に早期に提示して頂きたい旨述べ、日本が和平努力を、明石政府代表を中心に後押ししていく旨述べた。これに対し、ラージャパクサ大統領より、軍事的手段で民族問題を解決できないことは自分としても確信している、早期に権限委譲案が纏まるよう努力したい、LTTEが対話に応じるよう国際社会から圧力をかけて頂きたい旨述べるとともに、これまでの和平プロセスに対する日本の支援への謝意が表明された。
高村大臣より、人権問題について、人権侵害事件の真相究明など具体的成果が上がるようスリランカ政府の更なる努力を期待する旨述べたのに対し、ラージャパクサ大統領より、自分(大統領)が野党時代には人権擁護の活動に従事してきた経験もある旨述べ、人権問題に関する国際有識者グループへの日本の貢献に謝意が表明された。
高村大臣より、スリランカの中長期的な経済開発と貧困削減や、平和の定着の促進を支援すべく経済協力を実施していく方針であり、その関連で19億円の無償資金協力を来週正式に決定する予定である旨伝達した。ラージャパクサ大統領より、日本の経済協力に対する感謝の言葉が述べられた他、東部における多目的開発案件やLNG火力発電所への協力の希望が表明された。
高村外相より、日本の安保理常任理事国入りに対するこれまでのスリランカの支持について謝意を表明し、今後の協力の継続を要請した。これに対し、ラージャパクサ大統領より、国連改革に関する日本の立場を支持しており、日本の安保理常任理事国入りについても支持していく旨述べた。