
人間の安全保障基金によるコンゴ民主共和国における「コミュニティ参加を通じた子供に優しい環境整備支援プロジェクト」への支援について
平成19年11月28日
- 我が国政府及び国連は、11月28日(水曜日)、国連児童基金(UNICEF)及び国連食糧農業機関(FAO)がコンゴ民主共和国において実施する「コミュニティ参加を通じた子供に優しい環境整備支援プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、124万5,357.08ドル(約1億4,446万円)の支援を行うことを決定した。
- 支援対象地域であるコンゴ民主共和国のキンシャサ特別州とバ・コンゴ州では、長い内戦と政治的不安定のため、多くの避難民が存在しており、乳児死亡率及びエイズ感染者数の増加、栄養不良の蔓延、小学生の就学率の低下が見られるほか、多くの人々が衛生的な水及びトイレを利用できない等深刻な問題が生じている。
本プロジェクトは、キンシャサ特別州及びバ・コンゴ州において、教育、保健、水・衛生の分野においてコミュニティの能力強化を通じて子供に優しい環境の整備を目指すものである。主な活動は以下のとおり。
(1)教材の配布、父兄委員会の運営指導等を通じた児童の教育機会の向上。
(2)衛生委員会の設立と運営支援、衛生教育のための教材の提供、教師への衛生教育等を通じたコミュニティの水・衛生面の改善。
(3)学校農園の設置、教師父母委員会に対する農業技術指導及び農具の提供等を通じた食糧安全保障及び経済状況の改善
(4)児童死亡率の低下のための知識・意識の向上を目的としたテレビ・ラジオ、演劇等を通じた保健衛生に関する教育、教材の作成・配布、看護師・教師父兄委員会等に対する栄養に関する指導。
- 本プロジェクトに併せ、我が国はユニセフ経由で実施しているコミュニティ開発支援無償(供与額:7.86億円)としてハード面の支援を行っている。これらの案件を組み合わせることにより、より効果的な支援が可能となり、10万3,000人の住民の生活水準向上が期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関のプロジェクトを支援してきており、本プロジェクトは180件目。