
玄葉外務大臣とアブデッサレーム・チュニジア外務大臣との会談
平成24年6月26日
本26日(火曜日)午後6時40分より約2時間,玄葉光一郎外務大臣は,外務省賓客として来日中のアブデッサレーム・チュニジア共和国外務大臣(H.E. Dr. Rafik Abdessalem, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Tunisia)と,会談及び夕食会において意見交換を行いました。
また,会談に先立ち,政治、経済及び経済協力の各分野における今後の二国間協力のあり方や内容並びに地域情勢や国際場裡における協力について記した「日本国及びチュニジア共和国の外務大臣による共同声明」(日本語文(PDF)
,英語文(PDF)
)の署名式が行われました。
会談及び夕食会の概要は以下のとおりです。
- 冒頭
玄葉大臣より,アブデッサレーム大臣の来日を歓迎するとともに,東日本大震災に際したチュニジアからの支援に対して,感謝の意を述べました。また,玄葉大臣は,今回発出する共同声明に基づき,今後,チュニジアと互恵的な関係を深化させていきたい旨述べました。
これに対し,アブデッサレーム大臣から,震災の犠牲者に対して哀悼の意を表明するとともに,引き続き,日本との二国間関係及び協力を深化させていきたい旨述べました。
- 二国間関係
(1)政治関係・治安
玄葉大臣は,チュニジアの民主化に向けた取組みを評価し,憲法制定やその後の議会選挙などの民主化プロセスが円滑に進められることを期待する旨,また、経済社会改革及び治安確保に全力で取り組み,目にみえる成果を上げることを期待する旨述べました。
アブデッサレーム大臣は,民主化の過程で当然に生じ得る治安面や経済分野での様々な課題はあるものの,チュニジアの民主化は地域全体に影響を与えるものであることから,これらの課題を克服し、民主化の進展に努力していく旨述べました。
(2)経済協力
玄葉大臣は,チュニジアにおける格差是正及び雇用創出に資する「地方都市水環境改善計画」に対し,新規の円借款を供与する意向を表明しました。
これに対し,アブデッサレーム大臣は,長年の友好関係に基づく日本からの多岐にわたる支援に深い感謝の意を表明しました。
両大臣は,日本が支援するボルジュ・セドリア・テクノパークを,チュニジアのみならずアフリカ諸国との科学技術分野における交流の拠点とすべく協力していくことを確認するとともに,中東・アフリカ諸国との三角協力を一層推進していくことで一致しました。
(3)経済関係
玄葉大臣とアブデッサレーム大臣は,日本企業の対チュニジア投資促進や太陽光発電等の分野での協力を進めることで一致し,アブデッサレーム大臣は,日本企業の進出促進のためにも,治安の確保や投資環境の整備に一層努める旨述べました。
- 地域・国際情勢
(1)両大臣は,シリアにおけるあらゆる暴力の停止とシリア市民の保護,包括的な改革の達成が必要であることにつき一致し,これらの課題について協力を強化する旨述べました。また,中東和平問題についても意見交換しました。
(2)アブデッサレーム大臣は,マグレブ諸国の統合促進はチュニジアにとって最重要の外交課題であり,本年10月にチュニスで開催されるアラブ・マグレブ連合首脳会合を通じて,地域統合に向けた取組を一層強化していく旨表明しました。玄葉大臣は,アラブ・マグレブ諸国の地域統合に向けたチュニジアの努力に協力していく旨述べました。
(3)両大臣は,本年12月に東京で開催予定の第3回日本・アラブ経済フォーラム及び来年6月に横浜で開催予定の第5回アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)に向けて,協力していくことを確認しました。