
日・ニュージーランド外相会談
平成24年6月25日
本25日(月曜日)午後4時40分から約50分間,玄葉光一郎外務大臣は,来日したマレー・マカリー・ニュージーランド外務大臣(Hon. Murray McCully, Minister of Foreign Affairs of New Zealand)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭
玄葉大臣より,マカリー大臣が本25日(月曜日),富山県で行われたクライストチャーチ地震日本人犠牲者慰霊碑設置式に参列されたことに対して,日本人犠牲者ご遺族や関係者に対する心のこもった配慮に感謝するとともに,今年は日・ニュージーランド外交関係開設60周年の節目であり,日本とニュージーランドの関係の更なる発展へ向けたモメンタムとしたい旨述べました。
これに対し,マカリー外相から,この慰霊碑設置式には,ご遺族の方々に心から哀悼の意を表明するために,ニュージーランド政府及び国民を代表して参加した旨述べました。
- 二国間関係
(1)日・ニュージーランド二国間関係
玄葉大臣より,被災地域の復興と,災害に強い国作りは日本とニュージーランドの共通の課題である旨述べ,クライストチャーチ地震での邦人犠牲者に対するマカリー大臣の誠意ある対応に改めて感謝するとともに,ご遺族の最大の関心はCTVビル倒壊原因の徹底的な究明であることに改めて言及したい旨述べました。
これに対しマカリー外相から,王立委員会は地震に関するあらゆる倒壊原因を究明することを目的としており,CTVビル倒壊原因に関しても調査している,ニュージーランド政府は王立委員会によるすべての調査結果を情報公開するとともに,原因の究明により教訓を得たい旨述べました。
(2)太平洋島嶼地域での協力(含むフィジー問題)
玄葉大臣より,第6回太平洋・島サミットでのニュージーランドの協力に感謝する旨述べました。また,我が国も南太平洋のハブであるフィジーとの関係を重視しており,フィジーの民主化のため,ニュージーランドとも緊密に連携していきたい旨述べました。
これに対しマカリー外相から,フィジー問題については,ニュージーランドにとっても注意深い慎重な対応が必要であり,法の支配,民主主義,基本的人権の尊重等の確保が必要であり,太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国として,引き続きフィジーとの対話を強化していきたい旨述べました。
- 経済・貿易関係(含む経済連携)
両大臣は,環太平洋パートナーシップ(TPP)について,TPPに関する日本とニュージーランドそれぞれの国内議論の状況等につき説明・意見交換を行い,引き続き緊密に連絡をとっていくことを確認しました。
- 地域・国際場裡での協力
そのほか,両外相はアフガニスタン情勢,北東アジア情勢,また,東アジア首脳会議(EAS)等の地域協力枠組みについて意見交換を行い,こうした重要な地域問題についても緊密に協議・協力していくことで一致しました。
(参考)クライストチャーチ地震日本人犠牲者慰霊碑設置式及び王立委員会によるCTVビル倒壊原因に関する公聴会の実施
(1)本25日,富山外国語専門学校内に昨年2月に発生したクライストチャーチ地震で犠牲となった日本人犠牲者を悼む彫刻を設置する式典が行われ,マカリー外務大臣が,この式典に出席。この彫刻はクライストチャーチ(クライストカレッジ・チャペル内)と同校に1つずつ設置された。
(2)地震で多数の犠牲者を出した原因を究明するためにニュージーランド政府は行政機構から独立した王立委員会を設置。28名の邦人犠牲者を出したCTVビルの倒壊原因についても調査中。本25日から8週間にわたり,CTVビル倒壊原因に関する公聴会を開催。王立委員会による最終報告書は本年11月12日までに提出される予定。