
大陸棚の限界に関する委員会(CLCS)委員選挙 浦辺徹郎東京大学大学院教授・外務省参与の当選
平成24年6月7日
- 本7日(木曜日)(現地時間6日(水曜日)),ニューヨーク国連本部で開催されている第22回国連海洋法条約締約国会議において,「大陸棚の限界に関する委員会(CLCS)」委員選挙が行われ,我が国から立候補していた浦辺徹郎東京大学大学院理学系研究科教授が当選を果たしました。
- CLCSは,国連海洋法条約に基づき設置された,地質学,地球物理学及び水路学の21名の専門家からなる機関です。CLCSは,国連海洋法条約に従って,沿岸国が200海里の幅を超えて大陸棚の延長を申請する場合,これを科学的な観点から審査して勧告を出すことを任務とします。国際法に基づいて国家が大陸棚の限界を決定する上で,非常に重要な役割を担っています。
- 浦辺徹郎現委員(東京大学大学院教授/外務省参与)は,昨2011年4月,玉木賢策前委員が急逝したことを受け,同年8月に行われた補欠選挙で当選しており,2期目の再選となります。
- 我が国は,海洋大国として,CLCSに優れた委員を輩出することで,沿岸国による大陸棚限界設定作業を促進し,海洋法秩序の発展に積極的に貢献して行く考えです。浦辺教授は,海洋地質学・鉱床学の分野における第一人者であるのみならず,数々の国際研究プロジェクトの長として海底調査を行うなど豊かな国際経験を持ち,引き続きCLCS委員として大いに活躍することが期待されます。
(参考1)
- 大陸棚限界委員会とは,国連海洋法条約に基づき設置される機関(国連海洋法条約第76条及び付属書Ⅱ第1条)。沿岸国(条約締約国)が200海里を超える大陸棚を設定する場合,大陸棚に関する情報をCLCSに提出し,CLCSは科学的・技術的ガイドラインに従い,勧告を行う。沿岸国が,勧告に基づき設定した大陸棚の限界は,最終的かつ拘束力を有する。
- 委員会は21名の委員により構成。任期は5年(今回当選した委員の任期は2012年6月~2017年6月)。地質学,地球物理学又は水路学の専門家であるべきとされ,個人の資格で任務を遂行。選挙は,2012年6月4日から11日にかけて行われる第22回国連海洋法条約締約国会議(SPLOS)において行われた。
(参考2)浦辺徹郎(うらべ・てつろう)東京大学大学院教授・外務省参与
我が国の海洋地質学・鉱床学の専門家。現在,東京大学大学院理学系研究科教授。1976年に東京大学理学部地質学教室の助手となった後,1985年から2000年まで,地質調査所において,鉱物資源部主任研究官,企画室長補佐,鉱物資源部実験鉱床課長,主席研究官を歴任。2000年から現職,また,同学における海洋に関する分野横断的な研究機構である「海洋アライアンス」の副機構長を務める。2003年から2009年まで,内閣大陸棚調査評価・助言会議委員。2008年から内閣大陸棚審査助言会議委員。理学修士(地質学)(東京大学大学院,1973年)及び理学博士(地質学)(同,1976年)。2011年8月11日から,外務省参与。