報道発表

日・シンガポール外相会談(概要)

平成24年6月5日
(写真)シンガポールによる被災地復興支援プロジェクト(福島県相馬市におけるコミュニティホール建設)に関する署名式 (写真)日・シンガポール外相会談(概要)-1 (写真)日・シンガポール外相会談(概要)-2






 本5日(火曜日)午後6時50分から,玄葉光一郎外務大臣は,飯倉公館において,来日中のK・シャンムガム・シンガポール外務大臣兼法務大臣(H.E. Mr. K SHANMUGAM, Minister for Foreign Affairs & Minister for Law)との間で外相会談を約25分間行い,続いて夕食会を約75分間行ったところ,概要は以下のとおりです(先方同席:タン外務省上級政務次官,チン在京大使,イプ北東アジア局長ほか,当方同席:梅田南部アジア部長ほか)。なお,外相会談に先立ち,シンガポール赤十字社,在京シンガポール大使館及び福島県相馬市の間で,シンガポールによる被災地復興支援プロジェクト(福島県相馬市におけるコミュニティホール建設)に関する署名式が両大臣立会いの下で行われました。

  1. 冒頭
    (1)玄葉大臣から,シャンムガム大臣の訪日に歓迎の意を表するとともに,昨年10月にシンガポールを訪問した際の歓待に感謝の意を述べました。また,会談に先立って行われた福島県相馬市におけるコミュニティホール建設に関する署名式に言及しつつ,被災地に直接裨益する形でシンガポールが復興支援プロジェクトを実施していることに謝意を表明しました。

    (2)これに対し,シャンムガム大臣からは,良好で緊密な二国間関係に触れつつ,東南アジアがダイナミックに変化する中で,日本が東南アジア地域の安定のために同地域に今後も積極的に関与してほしい旨述べました。
  2. 二国間関係
    (1)玄葉大臣から,シンガポールは日本にとって重要なパートナーである旨述べ,両大臣は,両国関係の更なる強化のため,閣僚レベルの意見交換や次官級政務協議,海上安全保障対話等の政策対話を着実に実施するとともに,日・シンガポール・シンポジウムを来年早々東京で開催することで一致しました。また,経済関係では,本年経済連携協定(EPA)の運用についての一般的見直しのための総括委員会を開催することを確認しました。

    (2)玄葉大臣から,シンガポールが今月主催するアジア欧州会合(ASEM)原子力安全セミナーの成功に向けて共催国としてできる限りの協力をする旨述べるとともに,日本が12月に開催する原子力安全に関する福島閣僚会議についてシンガポールの協力を求めました。これに対し,シャンムガム大臣からは,ASEM原子力安全セミナーへの日本の協力に感謝を述べつつ,シンガポール政府としても原子力安全に関する福島閣僚会議を支援する旨述べました。

    (3)また,両大臣は,21世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(JSPP21)(日本とシンガポールが協力して第三国を支援するスキーム)について,両国が地域・国際社会の諸課題に協力して対処する上で重要なツールであり,ASEAN連結性やミャンマー支援などの分野での協力を今後も推進していくことを確認しました。

    (4)さらに,玄葉大臣から,日本の情報・文化発信拠点としてジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)は有意義である旨述べるとともに,「キズナ強化プロジェクト」により来年3月までに約310名の青少年をシンガポールから招待する旨表明し,両大臣は,文化交流・人的交流の一層の促進につき一致しました。また,玄葉大臣から,観光交流促進のための協力の必要性を述べたのに対し,シャンムガム大臣からは,昨年8月に東日本大震災の被災地を訪問したシンガポールの大学生100人から成る「シンガポール東北親善大使」の活動に触れつつ,日本はシンガポールにとって最も人気の高い観光地であり,正しいマーケティングをすればすぐに観光客は増加する旨述べました。
  3. 地域・国際情勢
    (1)アジアにおける地域協力に関し,玄葉大臣から,東アジア首脳会議(EAS)を具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムに発展させたい旨及び今年10月に開催予定のASEAN海洋フォーラム拡大会合につき緊密に連携したい旨述べ,両大臣は,地域的枠組みの下で今後も連携していくことを確認しました。また,玄葉大臣は,今後ともASEAN連結性強化に係る協力を推進していく旨表明しました。さらに,玄葉大臣から,地域の広域経済連携の重要性に触れ,環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉参加に向けた協議におけるシンガポールの支持に謝意を表しました。

    (2)ミャンマーについては,両大臣は,ミャンマーの民主化,国民和解,経済改革の取組を共に評価するとともに,国際社会が一体となってミャンマーの改革を後押しすべきであるとの認識で一致しました。

    (3)南シナ海については,両大臣は,同海域をめぐる問題が国際社会共通の関心事項であり,航行の自由の確保,国際法規の遵守,紛争の平和的解決といった基本的ルールへのコミットメントを関係国が確認・実行することが重要である旨確認するとともに,同海域の平和と安定のために協力していくことで一致しました。 
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