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本17日18時30分から,玄葉光一郎外務大臣は,ボブ・カー豪州外相(Senator the Hon Bob Carr, Minister for Foreign Affairs)との間で,日豪情報保護協定の署名式を行った後,外相会談を約30分,共同記者発表をはさんで,ワーキングディナーを約80分間行ったところ,概要は以下のとおりです。
冒頭,玄葉大臣から,カー外相就任後初めての来日を心から歓迎する旨述べた上で,現在も行われている豪州のきめ細かな被災地支援に謝意を述べました。これに対し,カー外相は,アジアで最も親密な国である日本に就任早々訪日でき嬉しい,日豪は安全保障,経済や地域の課題への取組みで多くの共通点があるパートナーであると述べました。
玄葉大臣から,日豪は価値と利益を共有する戦略的パートナーであり,安保協力を一層発展させていきたい,また,豪州北部における米軍のローテーション展開を歓迎する旨述べました。両大臣は,日豪情報保護協定の署名を歓迎する旨述べた上で,同協定の活用を含め,日豪二国間及び日米豪3か国間の安保協力を深化させることの重要性を確認しました。また,両大臣は,日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)の早期開催を目指すことで一致しました。
日豪経済関係について,玄葉大臣は,我が国の成長のため経済連携が重要である旨言及するとともに,TPP交渉参加に向けた協議における豪州の前向きな対応を期待する旨述べました。両大臣は,質の高い日豪EPAを目指し,日豪双方で努力することが重要であるとの点について一致しました。カー外相は,豪州は今後とも日本が必要とするエネルギー及び天然資源を将来にわたり供給し続けることを約束する旨述べ,経済的に強い日本への期待感を表明しました。
さらに,両大臣は,太平洋島嶼国,北朝鮮,中国,ミャンマー,中東情勢(シリア,イラン,アフガニスタン),核軍縮・不拡散,国連における協力についても意見交換を行いました。
玄葉外務大臣より,第6回太平洋・島サミットに向けた豪州の協力に謝意を表し,カー外相からは,この地域に対する日本の積極的な貢献に感謝する旨発言がありました。両外相は,軍事政権が続くフィジーの民政復帰に向け,日豪間で緊密に協力していくことで一致しました。
北朝鮮情勢に関し,両外相は,安全保障理事会が強い非難と警告を含む議長声明を発出したことを歓迎するとともに,北朝鮮による更なる挑発行為を抑止する上で,中国の役割が重要との認識で一致しました。また,両外相は,中国の発展とそれが地域にもたらす利益について意見交換を行いました。玄葉大臣より拉致問題に関する豪州の理解と協力を求めたのに対し,カー外相より,拉致問題についてはよく承知しており,豪州としてなし得る協力は全て行いたい旨応答しました。
ミャンマーに関し,玄葉大臣より昨年12月のミャンマー訪問及び4月の日メコン首脳会議に触れつつ,我が国としてミャンマーの改革努力を支援する上で,主導的役割を果たす覚悟である旨説明しました。カー外相からは,制裁緩和など豪州の対ミャンマー政策について説明があり,両外相はこの問題についても緊密に協力していくことで一致しました。
中東情勢につき,両外相はシリア,イランについて意見交換しました。アフガニスタンについては,玄葉大臣により,大別して治安,開発,再統合の3つ課題がある旨指摘の上,来る東京会合では同国の持続的発展のための方途について議論したい旨説明しました。カー外相からは,豪州のアフガニスタン支援について説明があり,両外相はこの問題について緊密に協力していくことで一致しました。
両外相は,軍縮・不拡散イニシティブ(NPDI)に関し,これは日豪両国が主導している枠組みであるので,更なる活性化のために緊密に協力していくことで一致しました。このほか,両外相は,安保理を含め,国連における日豪協力についても強化していくことで一致しました。