
包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の大気輸送モデル強化プロジェクトに対する我が国の拠出
平成24年2月27日
- 本24日(金曜日),我が国は,包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)に対し,大気輸送モデル(ATM。放射性物質の大気中の拡散予測システム)の能力強化プロジェクトのため,約6千万円を拠出しました。
- 大気輸送モデル(ATM)とは,放射性物質の大気中での移動・拡散の様子を気象データを用いてシミュレーションするための計算プログラムです。CTBTOにおけるATMは,核実験の探知という本来の目的に加え,原子力発電所事故等の発生時においても放射性物質の拡散状況に関する客観的情報を提供できることから,その有用性が広く認識されてきています。東京電力福島第一原子力発電所事故では,実際に,我が国,CTBTO及び国際原子力機関(IAEA)の緊密な連携の下,同事故に起因する放射性物質の拡散状況に関する客観性の高い情報をCTBTOから発信し,世界各地の放射線量が人体に影響のない値であることが国際的に説得力のある形で発信されました。
- この計算プログラムの能力が更に強化されることにより,国際機関を通じ,各国がより信頼できる科学的根拠に基づく放射性物質の拡散度合い及びその影響を判断することが可能となることが期待されます。
(参考)
包括的核実験禁止条約(CTBT)はまだ発効していないため,「CTBTO」は,正確には「CTBTO準備委員会」であるが,ここでは便宜上,「CTBTO」としている。