
中国における遺棄化学兵器の廃棄に関する化学兵器禁止機関執行理事会の決定
平成24年2月16日
- 本16日(木曜日)(現地時間15日(水曜日)),オランダのハーグで開催中の化学兵器禁止機関(OPCW)第67回執行理事会において,中国における遺棄化学兵器の今後の廃棄に関する決定が採択されました。
- この決定では,2006年のOPCW執行理事会の決定により示された本年4月29日までに中国における遺棄化学兵器の廃棄が完了しないことを受け,日中両国政府間で一致した廃棄計画に基づき,廃棄を継続すること等が確認されました。
- 我が国政府としては,中国における遺棄化学兵器の廃棄処理事業につき,できる限り早く完了できるよう,今後とも引き続き,政府全体として取り組んでいく考えです。
- なお,この執行理事会決定を踏まえ,日中両国政府は,中国における遺棄化学兵器の今後の廃棄に関する文書を作成すべく調整しているところです。
【参考1】 中国における遺棄化学兵器廃棄処理事業の経緯及び現状
(1)我が国は,化学兵器禁止条約(1997年発効)に従い,中国における遺棄化学兵器の廃棄処理事業を実施。
(2)2000年9月に発掘・回収事業を実施して以降,中国各地において,これまでに約4万8千発の遺棄化学兵器を発掘・回収。
(3)2010年10月,南京市で移動式処理設備による最初の廃棄作業を開始(これまでに同地で約3万6千発の廃棄を完了)。
(4)現在,中国北部にも移動式処理設備を新たに導入すべく所要の準備を実施。また,吉林省ハルバ嶺では,本格発掘や試験廃棄処理に向けて,準備が進捗している。
【参考2】 廃棄計画の概要
(1)移動式廃棄処理設備による遺棄化学兵器(ACW)の廃棄(中国南部及び北部)
日本政府は,中国政府の適切な協力の下,2012年4月29日現在で既にOPCWに申告されたACWについて,できる限り2016年中の廃棄完了の目標を達成することを目指して最善の努力を払う。
(2)ハルバ嶺(吉林省)におけるACWの廃棄
日本政府は,中国政府と協議しつつ,発掘・回収及び廃棄の作業の開始後できる限り3年以内に,ハルバ嶺に埋設されているACWの廃棄の計画を作成する。それまでの間,日本政府は2022年中の廃棄完了を目指すべく最善の努力を払う。
(3)今後OPCWに申告されるACW及び今後確認され得るACWの廃棄(黒竜江省佳木斯(チャムス),吉林省琿春(コンシュン),同省蓮花泡,広東省広州等)について,日本政府は,化学兵器禁止条約に従って,遺棄締約国としての義務を履行する。
(4)日中両国政府は,廃棄の作業の進捗状況に応じて,以上の廃棄完了の目標時期を含む関連事項について検討するための協議を行うことができる。
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