
水銀条約政府間交渉委員会第5回会合の準備のためのアジア太平洋地域会合の開催結果
平成24年11月2日
10月31日から11月1日まで,タイのバンコクにおいて,「水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会(INC)第5回会合の準備のためのアジア太平洋地域会合」が開催されました。同会合の概要等は以下のとおりです。
この会合には,アジア太平洋地域各国の政府代表,INC議長(ウルグアイ),国連環境計画(UNEP)事務局の他,事前に登録されたNGOがオブザーバーとして出席し,28か国・地域から82名の参加がありました。我が国からは,外務省,経済産業省及び環境省で構成される政府代表団が出席しました。
- 条文案に関する議論
会議では,来年1月のINC5に向けて準備された新しい議長テキストの条文案等について意見交換が行われました。主な論点における議論の概要は下記のとおりです。
(1)水銀添加製品の規制については,規制対象を列挙したリスト(ポジティブリスト方式)に関して議論が行われました。同リストについては,今後,各国に対し追加的な情報の提出を求めつつ,他の関心国と共同でINC5に向けてリストの修正案を提案することとなりました。
(2)水銀の貿易については,輸入国の意思を事前に確認するというロッテルダム条約の方式を導入することに対して,アジア太平洋地域における共通の理解が得られました。
(3)大気への排出については,水・土壌への放出に関する規定との関係,各国での排出抑制の取り組みの規定の仕方,規制対象施設及び規模を含め各国から意見が出され,更なる議論が必要であるとの認識で一致しました。
(4)資金については,資金メカニズムのあり方や拠出を行う主体,資金供与の対象等について異なる見解が出されましたが,全般的に建設的な議論が行われ,個別の論点については今後更なる検討を行うことになりました。
- 今後の予定
これらの結果を踏まえ,今後,最終会合となるINC5に向けて,各国でさらに条文案の内容について検討していくことになりました。
【参考】
2013年1月13日-18日 INC第5回会合: 於:ジュネーブ
2013年2月 第27回UNEP管理理事会に検討結果を報告
2013年後半 外交会議(条約の採択及び署名)於:日本