報道発表

日・ネパール外相会談

平成24年1月31日
(写真)日・ネパール外相会談 (写真)日・ネパール外相会談




 本31日(火曜日)午後5時半から約30分間,玄葉光一郎外務大臣は,来日中のナラヤン・カジ・シュレスタ・ネパール連邦民主共和国副首相兼外務大臣(Hon. Mr. Narayan Kaji Shrestha, Deputy Prime Minister and Foreign Minister, Federal Democratic Republic of Nepal)と会談を行ったところ,概要以下のとおりです。

  1. 冒頭,玄葉大臣より,シュレスタ副首相の来日を歓迎し,北海道大学での手術の成功への祝意と一日も早い快復を願う旨述べました。シュレスタ副首相からは,今回は治療のため私的な訪問であったが,手術を執刀して頂いた鐙北海道大学病院教授や医療関係者,お世話になった日本の政府の方々にこの場を借りてお礼申し上げたい旨述べました。
  2. 玄葉大臣より,東日本大震災に際するネパールからの毛布等の支援に改めて感謝の意を表明し,日本政府がアジア太平洋諸国との絆を強化するため,ネパールを含む南アジア地域協力連合(SAARC)諸国から青少年を招へいする「キズナ強化プロジェクト」を決定し,ネパールからは今後約1年間で約55名を招へいする予定である旨述べました。また,東日本大震災から10ヵ月が経つが,日本国内のサプライチェーンも完全に回復した旨述べました。
    これに対し,シュレスタ副首相より,東日本大震災で犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表明し,現在日本は着実に復興に取り組んでおられるが,日本が大変な苦難を乗り越え,一刻も早く復興することを願う旨述べました。
  3. 玄葉大臣より,我が国は,ネパールにおける和平プロセスの早期完了と民主主義の定着を重視し,これまで国連ネパール政治ミッション(UNMIN)への派遣等の支援を実施してきており,引き続き支援を継続していきたい旨述べました。また,和平プロセスについて,2011年11月の元マオイスト兵の統合のあり方と憲法制定の道筋に関する主要政党間の合意を歓迎し,シュレスタ副首相の指導力の下,元マオイスト兵の統合と憲法制定の期限内の完了を期待する旨述べました。
    これに対して,シュレスタ副首相より,ネパールは和平プロセスと憲法制定という歴史的な転換期に差しかかっており,日本に真剣な関心を持っていただいていることに感謝する,日本の取り組みは常にプロセスの加速化に役立っており,特に御礼を申し上げたい旨述べました。また,これまでプロセスが遅延しがちであったが,憲法制定に向け国民の熱意が高まっており,また元マオイスト兵の統合についても技術的な側面で徐々に進展が見られていることから,数ヶ月内に和平プロセスが完了することを願っている旨述べました。
  4. 玄葉大臣より,我が国はネパールの貧困削減や経済成長の支援のためのインフラ整備,教育等の支援を実施してきており,2012年2月にはパンタ投資庁長官の来日が予定されているが,今後,和平プロセスの進展を考慮しながら,ネパールの安定と発展を一層促進する支援を検討していきたい旨述べました。
    これに対して,シュレスタ副首相より,日本とネパールは比類ない格別な友好関係を有しているとして,日本からは人材育成,水力発電,保健,教育や海外青年協力隊等,継続的に様々な支援をいただいており,言葉では言い表せないほど感謝の念を有している旨述べました。更にシュレスタ副首相より,ネパールはこれから歴史的な転換期を迎えるが,平和と開発は相互に関連しており,一層の経済成長の達成に向け,日本の更なる支援に期待している旨述べました。
  5. 玄葉大臣より,我が国は,ユネスコを通じ世界遺産であるネパールのルンビニの保護事業を実施中であり,今後,なし得る支援があれば協力していきたい旨述べたところ,シュレスタ副首相より,ルンビニは日本人建築家の丹下健三氏が策定した開発計画に基づき,国際社会からの支援を受けて開発を進めたいと考えており,日本にも協力をお願いしたい旨述べました。
  6. 玄葉大臣より,SAARCについて,次期議長国のネパールとも協力しつつ,我が国とSAARCとの関係を一層強化する方途を探りたい旨述べたところ,シュレスタ副首相より,日本のSAARCへの関心を歓迎する,今後協力していきたい旨述べました。
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