
松本剛明外務大臣からアル・ハバシュ在京シリア共和国大使への申入れ
平成23年8月19日
- 本19日(金曜日)17時30分から約20分間,松本剛明外務大臣は,シリアによる大規模な弾圧で多くの死傷者が発生している状況に鑑み,ムハンマド・アル・ハバシュ在京シリア共和国大使(H.E.Dr. Mohamed Al Habash, Ambassador of the Syrian Arab Republic in Japan)を外務省に召致し,以下のとおり述べました。
- (1)我が国は,かねてより,シリア政府がシリア国民の切望や国際社会の声を真摯に受け止め,一般市民への弾圧を即時に停止し,反対派を含む国民との対話を早急かつ実質的に進展させ,民主化に向けた抜本的改革に早期に着手することを要求してきた。
(2)しかしながら,このような我が国を含む国際社会の多くの国の呼び掛けにもかかわらず,シリア治安当局による大規模な弾圧により,引き続き,多くの民間人の死傷者が発生していることは大変遺憾である。我が国は,シリア当局による一般市民に対する武力の行使を断固として非難し,その即時停止を求める。
(3)我が国は,現在のシリア情勢に対する国際社会の強い懸念を共有する。アサド大統領はすでに国際社会の信頼を失っており,もはや正統に国を統治することはできず,道を譲るべきものと考える。
(4)同時に我が国は,8月17日(水曜日),アサド大統領が潘基文国連事務総長に対し軍隊及び警察による行動の停止,憲法改正等の改革の実施,国連人道評価ミッションの受け入れ等に同意したことを重大な関心をもって注視している。
(5)また,この関連で、鈴木敏郎駐シリア大使を協議のため近く一時帰国させる予定であることもあわせてお伝えする。
- これに対し,アル・ハバシュ在京シリア大使からは,シリア政府の立場を述べるとともに,日本側の申入れは本国に伝えるとの発言がありました。