報道発表

パキスタン・イスラム共和国に対する円借款に関する書簡の交換

平成23年8月15日
  1. 本8月15日(月曜日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,我が方大江博駐パキスタン大使と先方アブドゥル・ワジッド・ラナ経済・統計省経済担当次官(Mr.Abdul Wajid Rana, Secretary to the Government of Pakistan, Ministry of Economic Affairs and Statistics, Economic Affairs Division)との間で,「ポリオ撲滅計画」(Polio Eradication Project)について,49億9,300万円を限度とする円借款に関する書簡の交換が行われました。
  2. パキスタンでは全国の5歳未満児に対してポリオワクチンを投与する一斉キャンペーンを定期的に実施しています。今回の協力は,世界銀行との協調融資により,ポリオワクチンの調達及び投与のための一斉キャンペーンの実施を支援するものです。この協力の実施により同国におけるポリオの早期撲滅に寄与することが期待されます。
    また,今回の協力により,パキスタン政府がポリオ予防接種キャンペーンを着実に実施した場合,ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation. マイクロソフト創始者ビル・ゲイツ氏らが設立)がパキスタン政府に代わり我が国に対して円借款を返済する予定であり,円借款を呼び水とし民間の財団の資金を動員しようという初めての協力となるものです。
  3. 供与条件は以下の通りです。
    (1)金利:年0.01%
    (2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む。)
    (3)調達条件:一般アンタイド

(参考)
(1)パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル,人口約1億6,971万人(2009年,世銀),人口1人当たりのGNI(国民総所得)1,020米ドル(2009年,世銀)。
(2)パキスタンはポリオ常在国4カ国(パキスタンのほか,ナイジェリア,インド,アフガニスタンがポリオ常在国とされている)の1つであり,2000年以降の感染者は,ほぼ横ばいであったが,2010年7月下旬から発生した豪雨に伴う同国建国以来最大の洪水による大規模な人口移動により感染拡大が生じた。洪水被害に伴うポリオ撲滅対策の効果発現に時間を要している状況の下,従来を超える規模のポリオワクチンの調達と一斉キャンペーンの実施が必要とされている。

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