
人間の安全保障基金を通じたソロモン諸島への支援
平成23年8月11日
- 8月11日(木曜日),我が国政府及び国連は,国際開発計画(UNDP),国連児童基金(UNICEF)及び国際労働機関(ILO)がソロモン諸島で実施する「「ソロモン諸島における"緊張"の減少、和解、復興のための人間の安全保障イニシアティブ(HSI-T3R)」プロジェクトに対し,人間の安全保障基金を通じて206万2088ドル(約1億8353万円)の支援を行うことを決定しました。
- ソロモン諸島は1998年に起こった紛争により大きな被害を受けました。また,貧困,社会に対する不満・不信感,コミュニティー間の隔絶等,紛争の構造的火種が残存しています。このプロジェクトは,緊張の緩和と裨益対象の生存と尊厳のための平和的で持続可能な措置の推進を通じた,対象コミュニティー及び元戦闘員の人間の安全保障の強化を支援するものです。その主な活動は以下のとおりです。
(1)地方ワークショップを通じた本プロジェクトの実施と出口戦略についての地元の合意形成,対象地域における戸籍制度の確立,地元の参画促進のための広報活動及び修復されたインフラ設備の維持,並びにコミュニティーセンターの修復及び再建設の実施。
(2)元戦闘員とコミュニティーの間の再統合カウンセリング・システムの構築,人間の安全保障及び平和的共存に関する国民の意識向上キャンペーンの実施。
(3)元戦闘員の経済的ニーズ及び雇用機会を把握。持続可能な小規模個人事業を開始するための職業訓練のほか,ビジネス・グループの形成を支援。
(4)水と衛生委員会の設立,WASH(給水及び公衆衛生)設備の導入,及びコミュニティーの水供給の操作・維持に関するガイドライン及びマニュアルの策定。
- この協力により,ソロモン諸島における,脆弱な状況に置かれた元戦闘員及び紛争の影響を受けたコミュニティーの人間の安全保障の促進が期待されます。
【参考】
人間の安全保障基金は,1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり,現在までに総額約402億円(約3億5,974万ドル)を拠出している。これまでもこの基金を通じ,人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の200件以上のプロジェクトを支援してきている。