報道発表

日・ブラジル外相会談(概要)

平成23年7月2日
(写真)日・ブラジル外相会談(概要) (写真)日・ブラジル外相会談(概要) (写真)日・ブラジル外相会談(概要)






英語版

ブラジルを訪問中の松本外務大臣は6月30日(木曜日)午後12時10分(現地時間)から約70分間,パトリオッタ・ブラジル外相と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです(先方:エジリオサ副次官他,当方:三輪駐ブラジル大使他同席)。なお,外相会談に先立ち,両外相は円借款2件(ベレン都市圏幹線バスシステム,サンパウロ州無収水対策計画)の署名を行いました。また,外相会談後に現地有力日系人も出席して行われたパトリオッタ外相主催昼食会では,北朝鮮や中東情勢に関しても意見を交わしました。

  1. 冒頭・二国間関係総論
    (1)パトリオッタ外相から,ブラジル訪問を歓迎する,これまで3回会談しているが,ブラジルでの会談実現はうれしい,また震災後の日本国民の組織力に敬意を表する旨述べました。これに対し,松本大臣から,我が国はブラジル始め南米諸国との関係を重視しており,ブラジル訪問が早期に実現してうれしいと述べ,震災に際してのブラジル政府・国民からの支援に謝意を表しました。両外相は,伝統的な人的つながりに加えて政治・経済分野など幅広い両国関係を発展させていくことの重要性につき一致しました。

    (2)原子力安全に関し,パトリオッタ外相から,福島第一原発事故及び原子力安全に関する関心が表明されたのに対し,松本大臣から,原発事故の収束に全力で取り組むとともに事故の調査・検証も進めており,IAEAの調査団を受け入れ,IAEA閣僚会議で報告書を提出するなど,情報の透明性に・努めている,最高水準の原子力安全の実現に貢献したい旨述べました。
  2. 二国間経済関係
    (1)パトリオッタ外相から,前日に松本大臣がメルコスール首脳会合(於アスンシオン)において行ったスピーチにも触れつつ,二国間貿易は昨年統計上の新記録を樹立するなど,ダイナミックなものとなっており,経済分野での二国間関係,さらには日本とメルコスールの枠組みを通じた経済関係を発展させていきたい,第三国に対する農業協力も含め農業分野等での協力を進めて行きたい旨述べました。また,パトリオッタ外相から,ルセーフ大統領は科学技術を重視しており,新興国であるブラジルが次のステップに進むためには生産性や競争力の強化が重要であると考えている旨述べ,日本との協力の可能性に関心が表明されました。以上に対し,松本大臣からも両国間で議論していきたい旨応じました。

    (2)ブラジルの食品輸入規制に関し,両外相は,4月の日伯外相会談を踏まえ,規制対象が全都道府県から12都県に限定されたが,今般具体化の手続きについても合意ができたことを確認しました。
  3. 商用目的の短期数次査証
    両外相は,商用目的の短期数次査証を簡易取得する方向で基本的に一致しました。松本大臣は,実現すれば両国の経済界へのインパクトは大きい旨述べました。
  4. 社会保障協定
    (1)松本大臣から,日・ブラジル社会保障協定につき,我が国では批准に向けた国内手続を終了しており,早期発効を期待する旨述べました。

    (2)これに対しパトリオッタ外相から,短期間での発効を実現できるよう努力したい,本件については日本在住のブラジル人も高い関心を持っている旨述べました。
  5. 高速鉄道計画
    (1)パトリオッタ外相から,高速鉄道計画についてはルセーフ大統領自身が情熱をもって取り組んでいるとして,日本側の関心に期待を表明しました。

    (2)これに対し松本大臣から,日伯は長い友好関係を築いており,我が国としても高速鉄道計画には注目している,我が国の誇る技術が生かせるような環境ができることを期待している旨述べました。
  6. 国際場裡における協力
    国連安保理改革,MDGs,気候変動(リオ+20)及び不拡散等について,両国間の協力のあり方等につき意見交換が行われました。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る