報道発表

日・南アフリカ外相会談

平成23年6月3日
(写真)日・南アフリカ外相会談 1 (写真)日・南アフリカ外相会談 2




6月2日(木曜日)午後5時45分から約50分間,松本剛明外務大臣は,来日中のヌコアナ=マシャバネ南アフリカ国際関係・協力大臣(H.E. Ms. Maite Nkoana-Mashabane, Minister of International Relations and Cooperation of the Republic of South Africa)と外務省において会談を行いました。また,両外相は,会談後に夕食会を行いました。外相会談及び夕食会の概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭
    松本大臣より,ヌコアナ=マシャバネ大臣の初来日を歓迎するとともに,東日本大震災に際して南アフリカから多くのお見舞いをいただいたこと及び同国から救助隊が被災地に派遣され,素晴らしい活動を行ったことに対し,改めて感謝の意を表明しました。これに対し,ヌコアナ=マシャバネ大臣より,震災の犠牲者に対する弔意が改めて示されるとともに,ズマ大統領からのお見舞いのメッセージが伝えられました。
  2. 二国間関係
    (1)両大臣は,両国間の「戦略的協力関係」が順調に推進されていることを評価するとともに,今回の来日を機に,両国間関係を政治・経済にわたって更に強化することで一致しました。

    (2)松本大臣より,ズマ大統領来日の早期実現を要請しました。これに対し,ヌコアナ=マシャバネ大臣は,ズマ大統領は来日を楽しみにしている,来日時には,南ア経済界を帯同して,両国間の経済関係を飛躍的に高めたい旨述べました。

    (3)松本大臣より,南アフリカへの日本企業の関心が鉱物資源,インフラ等の分野において高く,実績も伸びている,政府としても引き続き支援していきたい旨述べました。ヌコアナ=マシャバネ大臣からは,日本企業が持つ高度な技術と豊富な経験が南アフリカに活用されるよう,産業協力を推進していきたい旨述べました。

    (4)松本大臣より,日本は,今回の原発事故を契機として,原子力の安全性強化を進めていくと述べました。また,両大臣は,両国間の原子力分野における協力について意見交換を行いました。ヌコアナ=マシャバネ大臣よりは,日本との協力の継続に期待と歓迎の意が示されました。

    (5)両大臣は,対南ア円借款の再開に向け,早期に具体的案件の検討を行うことで一致しました。

    (6)両大臣は,今般の技術協力協定の署名を機に,南アフリカにおける日本の人材育成協力を一層促進することで一致しました。また,日・南アフリカ税関相互支援協定が実質合意に至ったことを歓迎し,早期発効に向け引き続き協力することで一致しました。
  3. 国際場裡における協力
    (1)両大臣は,現在開催中のMDGsフォローアップ閣僚会合の成功に向け引き続き協力するとともに,2015年以降についての議論を両国が連携して主導することで一致しました。

    (2)松本大臣より,IBSA(注:インド,ブラジル及び南アによるフォーラム)との対話の実現を改めて申し入れました。ヌコアナ=マシャバネ大臣は,本年秋に南アフリカにおいて開催予定のIBSAサミットに向けて前向きに検討したい旨述べました。

    (3)松本大臣より,本年5月にセネガルで開催したTICAD閣僚級フォローアップ会合に際しての南アフリカの協力に対し感謝の意を表明しました。ヌコアナ=マシャバネ大臣は,同会合で松本大臣が,震災を乗り越え,TICADの公約を引き続き誠実に実現していく決意を表明したことはアフリカに強い感銘を与えた,高く評価する旨述べました。

    (4)国連安保理改革に関し,両大臣は,今後とも緊密に協力していくことで一致しました。

    (5)気候変動問題に関し,松本大臣より,本年末の国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)について,議長を務めるヌコアナ=マシャバネ大臣を強力にサポートしていく旨述べるとともに,COP17の成功に向け,両国が引き続き協力していくことで一致しました。

    (6)核軍縮・不拡散に関し,両大臣は,唯一の被爆国である日本と,核兵器を自発的に廃棄した南アフリカとの間の協力を多国間協力の場で連携していくことで一致しました。
  4. アフリカ地域情勢
    両大臣は,エジプト,リビア,北朝鮮等の地域情勢についても意見交換を行いました。
    なお,今回のヌコアナ=マシャバネ大臣来日の機会を捉え,日本・南アフリカ間の政策対話である第11回日・南ア・パートナーシップ・フォーラムが開催され,経済連携,貿易・投資,開発及び気候変動の4分野について活発な意見交換が行われました。

【参考】日・南ア・パートナーシップ・フォーラム
1998年4月に首脳間で設置に合意して以来,日本と南アフリカ間で両国間関係強化のために開催している政府間協議。貿易投資,経済協力等における協力関係強化をテーマに議論を行っており,昨年よりは民間部門の参加も得ている。

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