報道発表

パキスタン・イスラム共和国に対する無償資金協力に関する書簡の交換

平成22年8月26日
  1. 本26日(木曜日)(現地時間同日),パキスタンの首都イスラマバードにおいて,我が方渥美千尋駐パキスタン国大使と先方ハリーム・ファザル・シブテン経済・統計省経済担当次官(Halim Fazal Sibtain, Secretary to the Government of Pakistan, Ministry of Economic Affairs and Statistics, Economic Affairs Division)との間で,合計20億2,200万円を限度とする以下の環境・気候変動対策無償資金協力2件に関する書簡の交換が行われました。
  2. ファイサラバード上水道拡充計画(the Project for Expansion of Water Supply System in Faisalabad,供与限度額7億9,900万円)は,人口増加に伴う水需要の増加及び気候変動等の影響により渇水,洪水が発生しやすくなっており給水量が不足している,パンジャブ州ファイサラバード市において,水源施設や取水施設を整備するための資金を供与するものです。今回の協力によって,ファイサラバード市における給水人口が増加し,安全で安定した給水が行われることにより,同市内の保健・衛生環境の改善が期待されます。
  3. ラホール市下水・排水機材緊急復旧計画(Urgent Rehabilitation Project for Sewerage and Drainage System in Lahore,供与限度額12億2,300万円)は,気候変動等の影響によりモンスーン期を中心に洪水被害が市内各所で発生している,パンジャブ州ラホール市において,市内の排水ポンプ場における老朽化した排水ポンプの更新等を行うための資金を供与するものです。今回の協力によって,ラホール市の浸水被害が軽減され,対象地域の経済活動の改善や衛生環境の改善が期待されます。
  4. 我が国は,昨年11月に「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し,パキスタンに対して,貧困削減分野等を中心に,昨年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施する方針としており,本2件の協力はその一環として,また,昨年12月に発表した,気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環として実施するものです。我が国としては,すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して,コペンハーゲン合意への賛同に向けた働きかけも含め,パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
  5. なお、記録的な豪雨による洪水被害を受けたパキスタン政府に対して,我が国はこれまで,緊急援助物資の供与をはじめとして,食料,水,衛生等の分野で総額約1,440万ドル(約12億2,000万円)の緊急人道支援を決定しており,今回の協力と相まって,洪水対策をはじめとする気候変動対策への取組に資することが期待されます。

(参考) パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル,人口約1億6,610万人(2008年,世銀),人口1人当たりのGNI(国民総所得)950米ドル(2008年,世銀)です。

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