報道発表

カンボジア王国に対する無償資金協力4案件に関する書簡の交換

平成22年3月18日
  1. 本18日(木曜日)(現地時間同日)、プノンペン市において、フン・セン首相(Samdech Hun Sen, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)の立会いの下、我が方黒木雅文駐カンボジア国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務・国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で、総額28億5,900万円を限度とする以下4案件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。

    (1)「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」(供与額:7億2,000万円)
      (The Project for Introduction of Clean Energy by Solar Electricity Generation System)

    (2)「森林保全計画」(供与額:9億円)
      (The Forest Preservation Programme)

    (3)「気候変動による自然災害対処能力向上計画」(供与額:10億円)
      (The Programme for Improvement of Capabilities to Cope with Natural Disasters Caused by Climate Change)

    (4)「ネアックルン橋梁建設計画(詳細設計)」(供与限度額:2億3,900万円)
      (The Project for Construction of Neak Loeung Bridge (Detailed Design))

  2. 我が国は、カンボジアの和平達成以降、同国を一貫して支援してきています。また、我が国は、昨年11月の日本・メコン地域諸国首脳会議において「グリーン・メコンに向けた10年」イニシアティブを打ち出すなど、メコン地域諸国における環境・気候変動分野の協力を重視しています。特に、上記1.(1)、(2)及び(3)は「鳩山イニシアティブ」の一環として実施することとした案件です。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同も表明しているカンボジアと引き続き気候変動分野で連携していきます。

  3. 案件概要

    (1)「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」は、気候変動対策の一環として、首都プノンペン市のプンプレック浄水場に太陽光発電関連機材を設置し、同浄水場での消費電力の一部を再生可能エネルギーで代替することにより、温室効果ガスの排出削減に寄与するものです。また、広報効果の高い地域に機材を設置することにより、我が国の優れた環境関連技術がカンボジア国内に広く紹介され、その普及に貢献するものです。

    (2)「森林保全計画」は、違法伐採等の監視用の通信機材・車両、森林保護に関する普及活動用の車両・機材、植林用の重機・施設、森林データ収集用の衛星画像・ソフト等を供与し、森林法執行実施のサポート、違法伐採及び違法森林占拠から森林を守るパトロール、森林火災予防等、カンボジアの森林減少及び劣化への対策を支援するものです。これによって、全国的な森林劣化の減少及び再造林の増加が見込まれ、温室効果ガスの排出削減及び森林の炭素吸収能力向上に寄与します。

    (3)「気候変動による自然災害対処能力向上計画」は、気候変動に伴う大型災害により生じた洪水被害の復旧や護岸工事に必要な、建設機材等の防災対策用機材等の供与を行うものです。気候変動の悪影響に対して脆弱なカンボジアにおいて、防災対策及び洪水等の自然災害の激甚化対策を支援することは、貧困農民層の財産保護、農業の生産性向上などに繋がり、貧困削減や持続的経済成長に寄与します。

    (4)「ネアックルン橋梁建設計画(詳細設計)」は、国道一号線のメコン河渡河地点であるネアックルンに橋梁を建設するために、詳細設計を行うものです。本橋梁の開通により、タイ(バンコク)、カンボジア(プノンペン)、ベトナム(ホーチミン)を結ぶ「南部経済回廊」を通じる物流・交通・交流等が円滑になり、カンボジア国内のみならず、東アジア共同体構築の鍵となるメコン地域全体の経済発展に寄与することが期待されます。

(参考) カンボジア王国は、面積約18.1万平方キロメートル、人口1,340万人(2008年)、人口一人あたりのGDP(国内総生産)は710ドル(2008年)

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